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🥀Das Schloss des Todes🥀

第1章 mein Prinz





翌週から、私は毎週日曜礼拝に参加する事を決意した。
お兄ちゃんの身体を貪り続ける下劣な悪魔に、制裁を与えてほしかったからだ。


比較的フォーマルな格好をして、
信者と共に讃美歌を歌い、神父の話に耳を傾けた。


特に無礼な行為は無かった筈だが、
ふと、やつれていくお兄ちゃんの事が脳裏に過ぎると、涙が止まらなくなる事が多々あった。
「大丈夫かい?」と白髪の綺麗なおばあちゃんに声を掛けられた。その優しくて穏やかな声に、ますます涙が込み上げそうになったが、グッと堪えると「大丈夫です」と言って、私はお兄ちゃんと同じく作り笑顔を浮かべた。



未成年で14歳の私の考えは、やはり浅はかだった。



その事を実感してしまうのは、それから一月後。
日曜の夕礼拝から帰宅した午後7時の事だった。




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