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妄想

第6章 愛の交歓

結局、優紀は田口と二人、ペンションで朝まで過ごし、10時にテラスでブランチを取って帰京した。

「じゃ、又連絡する」
最寄り駅で優紀を降ろし、赤のRX7で颯爽と走り去った田口に優紀は「所詮、セックスだけの繋がりか…」と虚しさを覚えつつ、マンションの自室に戻る。
そもそも、田口とは着物展示会で知り合い、叔母からも
「京錦と組む事が出来れば、うちとしても一層飛躍できるのよね」と聞かされていた存在だった。
会場で名刺交換をした田口から「会えませんか?」と連絡が入った時も、優紀はこれっぽちも疑念を抱かず、ビジネスにつながればという期待を持って翌日、ルノアールで落ち合った。
「坂田さん、お宅の佐伯着付け出張学院の躍進には我々も驚いてましてね。一度、じっくりとひざを突き合わせてお目にかかりたかったんです」
「はぁ」
出来れば、膝ではなくマ〇コにいち物を突き合わせて欲しかったという思いが沸き起こるも取り敢えず相手の出方を待つ。
「こんな事告白するのも、セクハラかとお思いになるかもしれませんが…僕、インポなんです」
「げっ」
「医者に行ったら、荒淫が原因かもしれないと言われましてね。薬ももらって飲んでみたんですがイマイチでして。で、単刀直入に言います。君が他の男とヤッているところを見せてもらえないだろうか?」
「マジか?」優紀は恐れおののくも、田口の学院に対して便宜をはかるという一言につられ、一週間後、シティホテルに出向いたのだった。

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