Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
親に敷かれたレールの上を走るだけの私は、ある出来事が起きるまでは平凡な子供だった。
だけど、それが出来なくなった。
その決定的な日となったのは、塾の帰り道だった。
電車に乗って岐路に着く時だった。
音楽を聴いていたから、私はその時背後に不審者がいる事に全く気付かなかった。
人気と街灯が少ない裏道で口元をハンカチで覆われたと思ったら気絶した。多分、変な薬品を嗅がせられたの。
意識が戻った時には、使われていない廃墟のパイプベッドの上に手足を固定されていた。
「いつも見ていたよ。
ずっとこうしたかったんだ。」
身動きが出来ない状況の中、黒い覆面を付けた不気味な男に私は無理矢理犯された。
「止めて!」と叫んだけど、当然助けは来ないし、男の手が止まる事もない。
性犯罪者の癖に、手付きは紳士的だった。
だからだろうか、制服を引き裂くような事もせず、私が処女だと分かった瞬間、やたら挿入行為も慎重になった。
ただ彼は、拒絶されるのが好きだったみたい。
抵抗すればする程、男の興奮した荒い息遣いが私の顔面にかかったり、膣の中でペニスが膨れ上がったりしていた。
その時、私の胸の内を占めたのは嫌悪感や恐怖感だった。
その次に初めて殺意が芽生えた。
「殺してやる」ってね。
でも結局は屈従するしか道が無くて、その殺意も剥がれ落ちて、最後まで残ったのは無気力感。
普通の人間は、多分その時点で絶望に打ちひしがれながら、レイプ魔の人形になる選択を選ぶの。
でもね私は、そこから異常な興奮を得たの。
精神的肉体的苦痛を与えられたり、執着心や屈辱感を誘導される事で快感を味わう人間、いるでしょう?
知らなかっただけで
どうやら私もマゾヒストだったの。