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狂炎~狂った情炎に焼かれて~

第2章 侵食汚染



「……実は面白いネタあるんだけど…」
『………面白いネタ?』
慶人が怪訝な声を返す。





『……へぇ、相変わらずエグいことを考えるじゃん』
「………そういう慶人だって乗り気のくせに」
『まあな…』
塩崎の仕入れたネタを聞いた慶人が不機嫌と上機嫌の入り混じった複雑な声を漏らす。
『慶人…そろそろ授業始まるよ』
塩崎との通話になった慶人を高人が呼びに来る。最愛の兄を独占したせいか高人の声が不機嫌そうだった。
『分かった、分かった…じゃあ、行くけど……ひとりだけ抜け駆けするなよ』
「分かっているって…」
塩崎が抜け駆けしないように念入りに釘を打つ慶人に塩崎は苦笑する。狭い田舎のせいか慶人達とは小学生のころからの付き合いだが、慶人がここまで執着するのも結構久しぶりかもしればい。
「新入生歓迎球技大会楽しみだな」
塩崎は日色が校長に犯されている動画を見ながら酷薄な笑みを浮かべた。





「日色先生、すいません」
体育担当の藤見がジャージ姿の俺に頭を下げる。
「そんなに謝らなくても大丈夫ですよ、人手不足は知っていましたから」
各学年一クラスしかないため、人手が足りず、俺も人数が足りてないチームに入って参加することになった。
「先生…人数少なくて試合できません」
「あっ、じゃあ俺行って来ます」
一年生の子が人数不足で助けを求める。俺は藤見と別れ、人数が足りない一年生のチームに入ってバスケに参加する。




「ふう…」
俺は水筒のスポーツドリンクを一気に飲み干す。最近引っ越しなどで忙しかったせいで運動不足で体力が落ちている。少し今の生活に慣れてきたので筋トレとランニングを再開しようかな。
「日色先生…お疲れ様です」
試合を終えて休憩している俺に亀山が話掛けて来た。
「どうした?また人数が足りないのか?」
各学年一クラスしかない上に、その一クラスの生徒も少ない。そのせいでこういうイベント事を進行するだけで一苦労だ。
「いえ、日色先生のおかげで無事に終わりました、本当にお疲れ様です」
進行と試合で忙しく走り回っていたのは生徒会の亀山達も一緒のはずだ。俺はタオルで汗を拭う。まだ四月とはいえ運動すれば汗を掻いてしまう。

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