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狂炎~狂った情炎に焼かれて~

第1章 序章~悪夢の始まり



「疲れた…」
HRを終え、職員室に戻ると思わずため息を吐いてしまう。結婚していることを白状すると生徒達から質問攻めにあった。最初は根気よく答えていたが段々辟易してしまった。
「さて…今日の晩御飯何にするかな?」
仕事を終え車に乗って近所のスーパーに向かう。今日は唐揚げでも作ろうと思い、鶏肉を手に取る。
「日色先生、こんにちは」
「あぁ…こんにちは、確か慶人に高人だった」
今朝入学式の前に少しだけ離した、生徒会の風間 慶人と高人と遭遇する。生徒会の書記と会計は双子で兄の慶人が書記で、弟の高人が会計のはずだ。
「日色先生ってなにしてるんですか?」
「晩御飯の買い出しだよ、食事の準備は基本俺なんだ」
「へぇ…意外」
図体のデカい俺が料理得意そうに見えないと言われるが、両親が共働きだったこともあって料理はそれなりできるつもりだ。それよりも…。
「仲良く買い物しているみたいだけど仲良いんだな?」
「まあ生まれた時からずっと一緒にいますし」
「仲悪かったらやって行けねーよ」
顔は両方とも整っているが兄の慶人は髪を金髪に染め、耳に大量のピアスを着けている、こんな見た目だが成績は良いらしい。一方弟の高人は黒髪に、黒縁のメガネ、兄が制服を着崩しているのに対し、高人のほうは制服をお手本のように着ている。不良の兄と優等生の弟と一見仲が悪そうに見えるふたりだが仲自体は悪くないらしい。買い物途中だった俺は慶人達と別れ会計に向かう。



「新しい学校はどう?馴染めそう?」
「まあ、ぼちぼちかな」
仕事から帰って来た茜と一緒に晩御飯をともにする。俺は唐揚げを口に運ぶ。
「そういう茜こそ病院で変な患者に絡まれたりはしてないだろうな?」
「えぇ、先生も患者さんもみんな良い人ばかりよ」
茜の言葉に俺はほっと胸を撫で下ろす。茜にプロポーズして結婚式を挙げた翌年に田舎に転勤することになるんて思っても見なかったが茜も一緒に来てくれたし、順調に今の生活にも馴れ始めている。
「あ、金曜日は飲み会だから」
晩御飯を終えた俺は食器を流しに運ぶ。ご飯は俺が作ることが多いけど、洗い物は茜やってくれる。俺がご飯作ることが多いのでバランスを取ってくれているのかもしれない。

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