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狂炎~狂った情炎に焼かれて~

第1章 序章~悪夢の始まり



「へえ…そうなんだ?よろしくね、日色センセー?」
慶人が人懐っこい笑みを浮かべる。
「こちらこそよろしく、慶人くん、高人くん、亀山くん」
俺は三人に笑みを向ける。三人を見てひとり少ないことに気付いた。
「塩崎くんは?」
俺の疑問に高人は心底どうでも良さそうに頷いた。
「会長ならサボりですよ」
「四人しかいない生徒会で、四人中ふたりがサボりってマズくないか?」
「慶人はいるだけで僕の仕事の効率上がるから大丈夫です」
それ本当に大丈夫なのか?と俺は頭を抱える、亀山も同じ気持ちなのか頭を押さえている。
「……何か手伝うことはないか?」
「今、来週の新入生歓迎球技大会あるんですけど、その準備を手伝ってください」
さすがに高人と亀山が不憫に思えた俺は手伝いを申し出る。亀山は少し驚いたあと球技大会の書類を俺に渡す。俺は亀山から書類を受け取り、生徒会の仕事を手伝う。球技大会と言っても各学年一クラスしかいないため、アンケートで種目を決め、各学年数チームに別れ、トーナメントを組むようだ。俺はアンケートの仕分け作業を手伝う。
「………なんだ、みんな揃って」
亀山達と球技大会の準備をしていると目付きの鋭い男…生徒会長の塩崎が入って来た。塩崎は周囲を見渡すと俺で視線が止まる。
「これから生徒会の顧問を担当することになったから、よろしく頼む」
「へえ…?」
塩崎が目を細める。塩崎はあくびを掻きながらイスに腰を降ろした。
「…で?何してるんだ」
「……球技大会の準備しているんだよ」
亀山はため息を吐いて、塩崎に状況を説明する。亀山と同じ真面目枠の高人は塩崎の対応を亀山に投げ付け、慶人と一緒に作業を進める。四人全員が集まったこともあって作業が捗り、球技大会の種目決め、トーナメント表を作り、賞品も決まった。
「お疲れ様…気を付けて帰れよ」
塩崎達を見送って俺は生徒会室の戸締まりをして職員室に戻る。
「お疲れ様…日色先生」
職員室に戻った俺を待っていたのは五歳年上で体育を受け持っている藤見。藤見は生徒会室から戻って来た俺の肩に腕を回した。
「今までどちらに…?」
「生徒会のほうで、来週の球技大会の準備を手伝っていたんですよ」
藤見は俺の説明に感心感心と何度か頷いた。

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