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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第24章 16年分の想い

悠理とは 幼稚園が一緒で
小学校は違ったものの サッカーチームが一緒。
いわゆる 親友みたいな関係の 筈だった。


「そんなに 詩史ちゃんを 追い詰めて…
逆効果じゃないのか?
可哀想で 見ていられない…!」

そうして 気がついた。
悠理が 詩史に 惹かれてるって…。

で なかったら
気がつく訳が ないんだ。

人間関係は 抜かりなく…
味方作りを意識して 関わっていた筈だったから。

余計な火の粉が 飛んでこない様に…
煙が立たない様に…
人間関係の構築は 慎重にしていたのに…!



「困らせないと 
詩史は俺を 見てくれないからね…。」

「お前のやってる事は どうかしてる…!」

悠理の言葉は その通りだと 思った。

「俺も そう思うよ。 どうかしてる…。」

今までの人生… 
全て 詩史の為と 言って良い…。

周りの女子が いくら好意を持ってくれても…
皆が好きなのは 「詩史在りき の 内海紫優」。

皆に向ける 愛嬌は 詩史を手に入れるために
磨いたもの…。

皆を騙している… と 言えるかもしれない。

悠理は そんな俺に 気がついた。


時間がない。  悠理も目障り…!

焦り、追い詰められる中で… 
俺は詩史から 離れてみることに した。

俺からしたら 生きてる意味が無い様な…
苦しい 苦しい 時間…。

でも… 最後に 縋る様な気持ちで…
詩史の心を 試した。

俺の居ない世界… 
詩史は ソレを選ぶのだろうか?

お願い… どうか 俺の元に来て…


ベッドの中で 人知れず…
何度 詩史への切ない気持ちを 抱えて
泣いただろう…?


それから…  詩史の名前を呼びながら 
自慰行為を 繰り返す。

好き… 愛してる! 誰にも渡したくない!
詩史は 俺のモノだよ…!

呪う様に 想い続けた。

いつか… 
本物の詩史を この腕に抱いてみたい…

そしたら どんな反応を するのかな?

嫌がるのかな? 泣くのかな?
照れるのかな? 欲しがってくれるのかな?

肌は 柔らかいのかな…?

早く そんな日が くればいいのに…!




寝ている詩史に キスをする。
疲れている様で 動かない。

「ねぇ 詩史?
詩史が 振り向いてくれた時…
詩史と 初めて 繫がった時…
嬉しすぎて… 
本当は 泣きそうで… 大変だったんだよ…?」

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