無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「…まぁ　その辺の　人間関係は　慎重に
対応していたからね。　逆恨みとか　面倒臭いし。　
どうやったら味方に引き込めるかは　
常に　意識して　動いていたよ…。　それに…」


紫優くんは　急に　眼鏡を外して　私を見つめた。

真剣な眼差しに　ドキッとする。


「ジュニア選手なんかに　なったら
詩史に　時間が使えないからね。
俺が１番攻略したかったのは　ピアノでも　テニスでも　サッカーでも　なくて…」


紫優くんの　眼差しに　捕まった。

金縛りにでも　あった様に…
私は　何も　動けないまま　顎を　掬われて…

大人しく　紫優くんからのキスを　受け入れた。

「ん…っ」

ゾクッと…　甘く　痺れる。


「俺が１番欲しかったのは　詩史だったから…」


っ　かぁぁぁぁぁぁぁ…！
顔が　赤くなって…

それでも　紫優くんの　視線から
目を　反らせなくて…

眉毛を下げて　困り果てる。


「…何　バカな事　言って…」　

「バカげてる…？　俺にとっては　重要な事だよ。
すばしっこい　猫を　捕まえるのは　大変で…
どんな　競技よりも　興味をそそられる…。」

後退る私に　紫優くんは　妖艶に微笑んだ。


頭の中で　警告音が鳴り響く。
危険…　危険…！　逃げて…！

「…っ　！　か…　帰る…！」

立ち上がると…

「帰るの？　ノーブラで？」

「！」

紫優くんの言葉に　反応する。

「まさか…　ワザと？
っていうか　服、返して！」

「ヤだよ。
こんなチャンス　滅多に無いんだから…。
明日まで　俺に　付き合って…？
ね？　詩史…？」

今度は　優しい声色を　使って
紫優くんが　私に言い聞かせる。


「もう　いい…！」

私は踵を返して　リビングから出ようと
ドアノブに手を掛けた　瞬間…
後ろから　紫優くんに　抱きしめられた。

「そんな　可愛い格好で　帰らないで？」

「？」

可愛い　格好…？　
紫優くんの　言葉に　疑問符を　浮かべる。

「まさかとは　思っていたけど…
気がついていないんだね…　自分の姿…」

紫優くんの　言葉に　
怪訝な顔をして　振り返る。

それから…
目に見える所は見て…　
ペタペタ触って　確認すると…

「？！　カチューシャ…　猫耳？！」

私の　気がつきに　紫優くんは　目を細めた。

「いつの間に？！」

「さぁ…？　いつでしょう？」