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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第25章 メガネ男子と猫

私が戸惑っている その隙に…
紫優くんの 生暖かな舌が 
私の首筋を 舐め上げた。

「ヤ…っ!」

思わず カチューシャから 手が 離れて…

怯んだ隙に
紫優くんは キツく 吸い付いてくる。

そうして 
ジンジンと 痛みを伴う首輪… キスマーク を
私に 付けた。

いつもみたいに 
私の 震える両手を 捕らえて 握る。

バックハグの状態で 逃げられない。


「俺の側に 居てくれるでしょう? 詩史…」

甘く… 切なく… 囁かれる。


ジンジンと 首に感じる 痛みが
私の動きを 抑制する。

まさに 首輪の様だ… と感じながら
紫優くんの言葉にも 逆らえなくて…
ドアの前で 力無く 崩れ落ちた。


「詩史 優しいね…。
だから… 大好きなんだ…。」

紫優くんに 抱きしめられて 髪を撫でられると
私は 力が抜けて…
紫優くんの腕に 大人しく 抱かれた。


腕の中で 私は 観念した。

予感はしてたの…
紫優くんの 最終計画…

紫優くんは 私を…
紫優くんの従順な猫に 仕立てるつもりだ。 

この関係性と 計画に 気がついても
私は 逃げられない。

紫優くんは 私の 全てを知っているから…

私の 甘えたがる性格
放っておけない世話焼きな性格…
それらを 利用して
絶妙な 甘やかしと 突き放しで 
飼い慣らされる…!


警告音は 正常に 発動したのに…
逃げられなかった… !


見上げると 
紫優くんは にっこり笑った。

「大きな瞳…! 猫耳が似合ってる♡
可愛いよ 詩史♡ 俺の可愛い猫ちゃん♡」

紫優くんの指が 鼻筋を撫でて… それから
頬を撫でる。

私は その指に 無意識に 擦りついて
喜んでしまった。

それから 微力に働く
紫優くんの 香水に 酔ってきて…  
胸に擦りついて 甘えたくなってくる…。


「可愛い詩史♡ 目がトロンとしてきたね…。
飼い主を 骨抜きにする イケナイ顔♡
可愛いがって… 啼かせたくなっちゃう♡」


さっきまで ピアノの鍵盤の上を 
華麗に 飛び回っていた 紫優くんの 指が…
私の身体を撫でて 喜ばせてくれる。

「し…う…  あ にゃ… あ」

甘えた声で 飼い主を求め始める。


「詩史…♡ 
なんて 甘えた声で 啼くの…♡
本当に イケナイ子♡」

私は… 紫優くんの猫に なってしまった…。

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