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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第27章 バスタイム

ああ… ほら また そうやって…
私の心を 操作しようとする…!

いくら 何でも
『紫優くんが 居ないと 死んじゃう』なんて…


そう 心で 反発したのに…
ほろほろ…っと 涙が零れた。

「… え…?」


紫優くんの 流血を 思い出したのは 
ほんの一瞬だったのに…

心で 痛みを 感じるより先に
涙が流れて… 動揺する。


「…っ しうくんが… 変な事 言うから…っ」

涙が 止まらなくて 困る。


涙を拭う左手を 外されて…
紫優くんが おでこを 小突き合わせる。

「…ごめん」

泣かせて ごめん… 

そういう 沈んだ表情を するのに
紫優くんは 頬を赤くして
やっぱり どこか 嬉しそうにする。


「紫優くんが居ないと… 生きていけない…」

紫優くんの 望み通りの言葉を 口にする。
口にして アウトプットして 自覚させられる。

『私は 紫優くんが居ないと 死んじゃう…』

また1つ そうやって 洗脳 支配 する。



「俺のモノに なったんだね… 詩史…
やっと… 心まで… 全部…!」

紫優くんからのキスに ディープキスで 応える。


そうだよ…。
身も 心も 全部… 紫優くんに捧げる…。

理性で 抑えが 効かないレベルで…
私は 紫優くんに 焦がれる。

紫優くんの 計算通りに…
もう 何があっても 
紫優くんから 離れられない…


「可愛い 俺の 甘えん坊猫…
死んでも 離さないよ…」



死んでも 離して 貰えないんだ…

紫優くんの言葉に 苦笑する。
 

でも…
私は 寂しがり屋の 甘えん坊だから…
それは それで 嬉しい かも…



それから… 
紫優くんは 丁寧に 身体と髪を洗ってくれて…
私の右手以上の 働きをしてくれた。

髪を乾かして… 

紫優くんのベッドで 紫優くんに抱きついて
眠りに落ちる。

全身が 紫優くんの匂いに包まれて
髪を撫でられて 安心する。


紫優くんが 私の唇を ペロッと舐めて
シャツの上から 胸に触れてくるけど…

「も… ムリだょ…」

疲れ果てて 目も開けられない私は 
うわ言の様に 紫優くんに 訴える。

「ふふ さすがに 俺もムリ!
ただ 詩史に 触れていたいなぁって…」


折角 服を着たのに
結局 全部 脱がされて…

私達は 裸で 抱き合ったまま 
眠りについた。

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