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紫優くんとのお付き合いは
誰にも　喜ばれない…。

わかってはいるけど　悲しい…。


「…忠告ありがとう。　詩史、帰ろう…！」

紫優くんは　悠理くんに　取り合わずに
手を握って　私を教室から　連れ出す。


その間も　ぐるぐると　悠理くんの事を　
考えていた。


悠理くんは…　紫優くんとの親友関係が
崩れた事も　悲しんでいたんだ。

でも　紫優くんは　悠理くんとの親友関係なんて
あり得ないと　思っている筈だ。

紫優くんは…　
私に手を出す　全てのモノは　敵　だと
見做している　から…



「…　動揺してる　でしょ…。」

紫優くんに声を掛けられて　ハッとする。

「だって…！」

「そうだね。　詩史には　この状況を無視しろ
なんて事は　無理だよね。
詩史は　人の心に　寄り添えて、共感出来て…
昔から　心を痛める…　優しいコだもんね…。」

「紫優くん…　私…っ！」


言葉の途中…　顎を掬われて
激しいディープキスに　襲われた。

「あ　…っ　　んんっ…！」


ココが　学校である　とか　人通りを気にする
間もなく…

紫優くんに　引きずり込まれて　
私は　猫になる。

「は…　ぁ…　っ」


空いている教室に　連れ込まれて…
飼い主の与える刺激に　思考を奪われて…
いつしか　飼い主の事しか　考えられなくなって…

溺れて…　

悦ぶ。


「詩史が　気にする事は　何１つ　無いんだよ？
さぁ…　蕩けた顔を見せて？」

耳打ちされて…　

「にゃあ…」

飼い主の胸に　擦りついて　返事をする。


あれ…？　私…　？
今まで　何を感じて　いたんだっけ…？


「…悠理は　本当に　わかってないな…。
詩史の情に訴えて　俺達の仲を　壊すつもり…？
そんな事　出来る訳ない…　ね？　詩史♡」

紫優くんの胸に凭れて
紫優くんの腕に　閉じ込められて…
私の頭を撫でてくれる　紫優くんの手に　微睡む。


「猫になった詩史は　飼い主を裏切らない。
俺が…　そう躾けたからね…。
少しの歪みも　許さない。全て　排除するよ。」


？　紫優くん…　今　何を　言ったの…？
よく　わからないよ…。


それよりも…
紫優くんの匂いと　温もりに　
どうしょうもなく　安心する…。
ここは　世界で１番　安全な場所…。


私の　身体に　触れていいのは　飼い主様…　
紫優くんだけ　なの…