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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第31章 ボーイズラブ

紫優くんと 悠理くんが
抱き合って 喜ぶなんて…
前は よく見る光景だった。

そう言えば… 
最近は 会話すら 怪しい…。


私が心を痛めている事など 知る筈もなく… 
晶ちゃんは妄想トークを 広げる。


「大木くんは 攻めバージョンでぇ〜♡
受けなら 朝生先輩と…♡
あの手当たり次第な感じで 
内海くんに 迫って欲しい…!♡」


…。 

図書委員長 並びに サッカー部部長の
朝生先輩…。


会う度に 隣にいる女子が 違う…!

確かに…
朝生先輩なら男女問わず イケそう…。
私でさえ 餌食の対象みたい だったから…。

図書室での 出来事を思い出して 
ゾッとする。


でも
朝生先輩 ✕ 紫優くん… ?

何だか 魔王が2人になっただけ の様な…?


「しふみんの彼氏で 妄想を
楽しんでて ごめんねぇ?♡」

「いえ… 晶ちゃんが楽しそうで 何よりデス…」


晶ちゃんが こんなに ボーイズラブ妄想を
楽しんでいたとは 意外だったけど…

何はともあれ 
自分の知らない世界を 楽しんでいる人と 話すと 見聞が広がる様で すごく楽しい…!


「ボーイズラブか…。
考えた事も無い ジャンルだったな…。
私も 今度 晶ちゃんに 借りて
読んでみようかな…。 
(新世界… どきどき…!)」


「え…っ♡ 本当?! 
貸してあげるっっ ♡♡♡」

そう言って…
晶ちゃんは 私に シリーズ貸し してくれた。

… 常に 持ち歩いているんだね…!(苦笑)





「最近 松山さんと 仲良しなんだね。」


放課後  誰も居なくなった教室で
紫優くんに 指摘されて ドキッとする。


紫優くんに「仲良しだね」って 
言われると 何故か 後ろめたさを 感じる。


「別にっ 誰と仲良くしてても 良いでしょ!」

素っ気なく 紫優くんに返事をする。


「ツレない…! 今は ツンツンさん なの?
さっきも 睨んで来るし… 悲しいなぁ…!
… 松山さんと どんな話をしてたの…?」

「はぁ?! 
そんな事 紫優くんに 言う必要ある?!」


甘えたい時以外の猫は 非情なまでにドライ。

うざったくすら 思えて 鬱陶しい…!


「… 詩史 」


紫優くんが伸ばす手を 俊敏に躱して 
猫の様にすり抜ける。

「学校では 触って来ないで…!」

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