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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第32章 夏の気配

教室にも 関わらず…
途中から 羞恥を忘れて 
紫優くんと 夢中で繋がっていた 私は
その後も 飼い主の胸に 頭を擦り寄せ 
存分に 甘えていた。


「ふふっ 甘えん坊…! ♡」

紫優くんは 嬉しそうに 頬を 赤くする。

「にゃあ… ♡」


鼻腔いっぱいに 紫優くんの匂いを 満たすと
心地良い疲労と 共に 心が満たされる。


それから ハタ…と 
ココが教室であった事を思い出して 青ざめる。


とんでもない事をした…! と 今更
カタカタと震える。


「あらら… 大丈夫?」

紫優くんが 乱れた服装を 直してくれてから
ふわ…っと私を抱きしめた。


頭を 撫でられると 少し 落ち着く。


「詩史は本当に 猫みたいだね。
気紛れで 甘えん坊で…
シロタマちゃん みたい…♡」

「しろたま ちゃん…?」

聞き慣れない名前に オウム返しする。


「あれ? 知らない?
動画で有名な この猫だよ…?」

スマホを見せられて…

そこに映っていたのは 瞳の大きな 
顔立ちのきれいな 白猫ちゃん。

ちょっとヤンチャで 寂しがり屋。
ご主人様が大好きで 
撫でられると 気持ち良さそうに 目を細めて
「もっと して…!」って 上目遣いにアピール
する。

「~~~っ! 可愛いい〜♡♡♡」

きゅうううううんっ

さっきまでの 背徳感は 何処へやら…
可愛い動画の猫ちゃんに 胸が トキメク。


もっと構って! っていう時の
手の動きが 堪らない…♡


「可愛いでしょ? 詩史 そっくりなんだよ?」

紫優くんに 言われて…

えぇ…?! と 白い目を 向ける。


こんなに可愛い白猫ちゃんと 私が 
似ているなんて…
紫優くんは やっぱり 
私を見る目が どこか おかしい…。


紫優くんは 私の視線に気がついて 
その理由を 説明し出した。


「気紛れで、 でも甘えん坊で…
撫でてあげると ウットリしちゃう所とか…
詩史 そっくり♡」


かあああっ…  

顔が 熱くなる。


「…こっ… こんなに 蕩けた顔しないよ…!」


「何言ってるの。
今まで こんな顔を していたクセに♡」


~~~ 嘘だよぉ… (泣)


恥ずかし過ぎて 
この場所から 消えて しまいたかった。


「詩史 立てる? 帰ろ?」

腕を引かれて 立たせて貰うが…

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