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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第33章 夏の 始まり

そんな こんなで…

私は夏葉さんと 浴衣を買いに 来ていた。
しかも プレゼントしてくれる という…


「夏葉さん… 母に怒られますから…」

「大丈夫よぉ♡ 
香緒ちゃんには 私からちゃんと 
言っておくから♡
夏期講習のお詫びとでも 思って 任せなさい!」


夏葉さんは とっても 楽しそう… (笑)


まぁ… いいや。
お代の事は お母さんに任せよう…


色とりどりの 華やかな浴衣を 
目の前に 並べられて…

テンションが 上がらない訳がない!

私も段々と ノリノリになってきた。


「詩史ちゃんは サマーカラーが似合う子だから…
ブルーベースで 大人びた雰囲気が合うと思うわ!」

そう言って 何着か 私の前に 浴衣を 合わせてくれる。

どれも素敵で 目移りしちゃう! ♡

でも 最終的に 気に入ったのは
淡藤地に 紫色の花が描かれた 浴衣だった。
帯も 紅紫のグラデーションでお洒落〜♡

涼し気で 落ち着いていて とても素敵…!


「夏葉さん! 私、コレが 気に入りました!」


夏葉さんは 口元に手を寄せ、ふむ…と
考えるポーズをとりながら 頬を赤くした。

その仕草が 何だか 紫優くんそっくりで
照れる…。


「… 紫優 喜びそう… (笑)
紫 入ってる…」

夏葉さんに指摘されると…

かああああ…っ

照れて… 顔が 熱くなる。


「そ、 そう言えば…! 
意識して いませんデシタ…!」

止めた方が 良いかな…?

迷っていると…


「…詩史ちゃんって 紫優の事、 関係ナシに
紫色が 似合うのよね…。
特にこういう 上品な感じ…!
気に入ってくれたなら コレにしよう?」

夏葉さんに 太鼓判を押されて…
結局 この浴衣を 買って貰う事になった。


「ふっふっふ…♡ 見てなさい、紫優!
手も足も出せないくらい
詩史ちゃんを 綺麗に してあげるんだから!♡」

夏葉さんは 
何故か とっても ブラックな笑みを浮かべて
楽しそうだった。


浴衣 なんて 小学校の低学年以来… !

夏祭りも 花火大会も 人が多くて 苦手な私には 無縁な代物だったから…。

嬉しい…! ♡ 


おもちゃを買って貰った 子供みたいに
ウキウキしながら 胸に 浴衣を抱えて 
大切に 持ち帰った。

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