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でも　そんな抵抗は　ささやかで…

すぐにまた　紫優くんが植えつける心地よさに
溺れる。


「詩史…　最近ずっと　俺の事を　気にしてるね。」

弱っている私を　誘惑するように　にこやな笑顔で
優しく　話し掛けてくる。


頭を撫でられると…　　

くら…っ

素直に　甘えて　みたくなる…



「生理痛？　キツそうだね…。」


寝たフリだけでなく、生理も　バレているのね…。


私は　力なく　頷いた。

「そっか…。　可哀想にね…」

私を労る　優しい手と　言葉…


ホルモンバランスの　せいかな…　？
それとも　体が　辛いせい？

紫優くんの労りに
涙が　勝手に　流れた。


紫優くんは　私の涙を　指で拭って　
顔を　覗き込む。

「詩史…　帰ろうね？　大丈夫だよ。」

眉毛を下げて　心配そうに　見つめてくる。


そんなに　優しくされたら…
弱ってるんだから　反則だよ…



「…　紫優…　くん…　」

私は　とうとう　我慢出来ずに…

紫優くんの　温もりを求めて　
腕を伸ばして　紫優くんを　抱き寄せた。


紫優くんに　抱きつきながら　敗北感を味わう。

どうしよう…　
紫優くんの温もりが　優しい声色が　安心するの…。


紫優くんは　私の頭を　包み込む様に抱き寄せ
おでこにキスをする。

それから　顎を掬われて…
もう１回　キスをする。

紫優くんの舌が　私の舌を絡めると
また　ゾクゾク　する…

「ん…っ！　は…ぁ　紫優…くん…　」

涙を　溢しながら　紫優くんを見上げると…

紫優くんは　満足そうに　口角を上げた。

「可愛い…　詩史　大好きだよ…」

指を絡め合って　紫優くんとのキスに　酔いしれる…

まるで　幸せな　恋人同士の様…

全ての辛さから　解き放たれる様な…
夢見心地を　味わう。


暫くすると
カラカラと　引き戸を開ける音がして…
職員室から　先生が　帰って来た。

ハッ　とする。


紫優くんに　抱き起こされると　

私は唇を押えて　紫優くんを睨んだ。

「…　卑怯だよ…」

ひと言　ポソっと　呟くと　紫優くんは　フッと
笑った。

「あれ…？　今回は詩史から　俺を　
求めたんだよ…？」


…　知ってる　。　その通りだよ…。

事実を　改めて　伝えられると…


私は　顔を押えて　項垂れた。