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朝　起きて…


今日は　ヤバい…！
と　自己分析する。

「…　逃げるしか　ない…！」

青ざめながら　ベッドの上で　独り言を　呟いた。


大丈夫！　生理も終わって　身体は絶好調！
今日　１日だけ
紫優くんから　逃げ切れれば…！


気合いを入れて　制服に　腕を通す。


理由も話さずに　避けるなんて
後で　紫優くんには　凄く怒られるだろけど…

今は　そんな事は　言っていられない…！
緊急事態だ！


緊張感を持って　鞄を抱きしめながら　家を出る。
不審者の様に　キョロキョロと辺りを　警戒して
紫優くんが居ない事を　確認すると　
猛ダッシュで　学校へ向かった。


紫優くんと　八合わない為にも…
今日は　バスを使わない方が　安全だな…


徒歩で　学校を目指しながら
今日の過ごし方をイメージする。


まず、
朝　一緒に登校しなかった私に
「なんで　先に行っちゃうんだ！」　と　紫優くんは
文句を言いたい筈だ。

極力　晶ちゃんと　ボーイズラブの話　でもして
トークを盛り上げて、　
紫優くんが　私に話し掛ける隙を
与えない様にしよう…！


始業時刻ギリギリ…
息を切らしながら　何とか教室に着いた。


「おはよう　しふみん♪
時間ギリギリなんて　珍しいね！　大丈夫？」

晶ちゃんが　心配してくれる。

「うん…　大丈夫…！」

息を整えながら　着席して　顔を上げると　
遥か前の席に座る紫優くんと　
目が合って　しまった。


ヤバ…っ！

慌てて　目を反らして…


暫くしてから　
恐る恐る　顔を上げる。


紫優くんは…　

まだこっちを見てる…！！！


私は　背中に　冷や汗をかいていた。


紫優くんは　頬杖をついて　ニコニコと…
鼻唄でも　歌い出しそうに　　楽しそう…　！


ゾッとした。


あの表情は…　　バレてる！！！
私が　今日１日　逃走する気な事も
その　理由も…　

それから
紫優くんは　私を　逃す気が無い…！　と悟る。

寧ろ　久々の追いかけっこ♪　とばかりに　
楽しむ気　満々だ…！

『俺から　逃げられるかな？』
そういう　顔　してる…！


逃走する理由をわかっていながら…
意　地　悪　！！！！！


キッと睨んで　敵意を剥き出しに　する。


こうして　飼い主と猫の　捕獲、逃走劇が　突如
幕を明けた。