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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第38章 逃走

「しふみんは 大事な友達よ?
いくら 王子様と称される内海くん相手でも 
しふみんが 困っているなら 対応するわ…!」

私の護衛を 買って出る 晶ちゃん。

どこか 楽しんでいる気もするけど… 
有り難く 受ける事にする。


気が緩みかけた 6限後…

「詩史〜♡」

紫優くんが 再び 接近してきたのだが…
私と 紫優くんの間に 
晶ちゃんが 立ちはだかった。

「内海くん…!」

両手を広げて 紫優くんの侵入を 阻止する。


紫優くんは そんな晶ちゃんに 
ふっと 笑い掛けた。

「松山さん♡ 
いつも詩史と 仲良くしてくれて ありがとう♡
1度 お礼を と 思っていたんだ♪」

紫優くんは 晶ちゃんの瞳を 覗き込みながら
晶ちゃんとの距離を詰める。

ジリジリと 壁に 追いやって 
晶ちゃんを 逃さぬ様 壁に手をつくと、
天使の笑顔で 首を傾げた。

「お礼は 何がいい?
朝生先輩との ボーイズラブ 以外だったら
極力 叶えて あげるよ…?」


壁に追い込まれた晶ちゃんは 
王子様モード全開の キラキラ紫優くんを 
存分に 浴びて 鼻血を流し、失神寸前になった。 


「…っ 私の友達に 何するのよ…!」


紫優くんを押し退け 
晶ちゃんを庇う様に 抱きしめる。
 

「やっぱり 詩史は 優しいね♡
友達を 助けるために 俺に捕われるなんて♡」

耳元で 囁かれて… 

襟足を指で つーーっと 撫で上げられると
ゾクッと 震えた。


「…っ 嫌…!」


晶ちゃんに しがみつく様に
頭を 振って 抵抗するけど…


「俺の勝ちだよ? 詩史…」

紫優くんの 低い声は 子宮に響く。


「…っ」

だめ… 捕われる… 

観念しかけると


「手 放せよ。 また 苛めてるのか…?」

悠理くんが 割って 入ってきてくれた。


救世主…! と 涙目になって 
悠理くんに助けを求める。


「悠理…! 大丈夫だよ。 
詩史と いつもの追いかけっこだよ?」

紫優くんは 穏やかな声だが 
悠理くんを 牽制する。
悠理くんも そんな紫優くんの不機嫌さを 
察している様子だった。


「…とりあえず 1度 手を放せよ。
詩史ちゃんが 困ってる。 可哀想だよ。」


悠理くんの言葉に 紫優くんは 渋々
私の手を 離した。


「…っ 悠理くん… ありがとう…!」

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