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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第5章 首輪

「今回も楽しかったよ♪ 怪しげな伏線の数々に
ドキドキはらはら…!
詩史ちゃん、好きそう!」

「本当?!早く読みたい〜!!
今日、買いに行っちゃおうかな?
ああ… でも…
本屋さんに行くと アレもコレも 気になって…
気がついたら3時間くらい 居ちゃうんだよね…。」

「わかる…!気持ち わかるよ!
俺も 今日 本屋さんに付いて行こうかな?」

「ああ…! 一緒に 行く… ?」

言い終わる前に 後ろから 出てきた手に 口を 
塞がれた。

「?!!!!!」

一条聡司のサスペンス かと思うくらい 
ホラーな 展開だった。

「悠理… 何 勝手に 詩史に付いて 行こうと
してるの…?」


後ろから 聞こえた声で 口を塞ぐ手の主が
紫優くんだと わかった。

「紫優…」

悠理くんの 呆れた顔…!

ほら! 私、今、すごい同情されてる
じゃないの…!

「詩史も… 何 二人きりになろうとしてるの?」

耳に 紫優くんの 低い声…。 
吐息が かかって ドキッと する。


「い… いいじゃん 別に! 
紫優くんには 関係ないでしょ!」

紫優くんの 手を掴んで 反抗する。

「…大人しくしないと 今この場で キスするよ?」

ピタッ

それは 嫌だ…! と 反抗を止める。

「紫優… あんまり ヤキモチ焼くと 
嫌われちゃうよ?」

そうだ そうだ! 
私は頷いて 悠理くんに同意する。

「もう 嫌われてるから いーんだよ!」

いーんだ…。 って 何、 その開き直り !

「…2人は 付き合ってるの?」

悠理くんが 躊躇いがちに 聞いてくる。

「そんな訳な…」 

また口を 塞がれて…

「今はまだ だね…。 
でも 体の関係は ちゃんとあるよ?」

紫優くんの トンデモナイ言葉に 驚く。

「は…? 違うっ…!」

慌てて 否定しようとすると

ちう…っ と 首筋に吸い付かれた。

!?! 

突然の事に 驚く。

紫優くんが 吸血鬼みたいに…   
痛みを与えてくる。

「や… !」 

キツく キツく 吸われて…
涙目に なる。


唇が 離されると
慌てて紫優くんから 離れた。


「可愛い猫を 外へ出すのなら
誰のモノか首輪を 付けないとね…。」

くすっ と笑う 紫優くんに…

「…サイテイ!」

捨て台詞を吐いて、私はその場から 走り去った。

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