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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第41章 朝帰り

お母さん…! 理解力、あり過ぎでしょ…!

って 言うか…
何で紫優くんは 相変わらず、こんなに信頼されて いるのだろう?
あんなに 変態で 目茶苦茶なのに…?!


「詩史… 悔しそうな顔してる…!
でも 紫優くんに 安心できる理由は 
詩史が1番 わかっている事だもんね♡」

母に にこにこと 顔を覗き込まれて…
苛つく。


「…っ 気に入らない…!」

顔を真っ赤にして 吐き捨てる。


私を囲う様に… 周囲をしっかり 味方につけてる!
紫優くんは やっぱり 気に食わない存在だ!


「あらあら…!
生まれた時から あなた達の事を 見てきたわ。 
紫優くんは 一瞬たりとも 詩史を… 
本当の意味で 手放した事は無かった。
常に 詩史を理解しようと 気にかけて 
努力してた。 
詩史だって… 何だかんだ言いながら 
紫優くんの存在を 大切にしていたし… ね…?」

にこにこにこにこ…


母親って… 子供にとって 都合の悪い事を 
全部 知ってる…! 

だから… この人達には 一生敵わない…!


母の微笑みに 完敗する。



ブブッと テーブルの上の スマホが鳴って…
紫優くんからの 着信だと 気がつく。


『今 どこに居るの?』

「あ〜… ごめん 家に 帰ってる…」


速攻で 電話は切れて… 
ものの数分で 紫優くんが我が家に 乗り込んで来た。
眼鏡姿に 寝癖でついた 跳ねた毛先。
ゆったりとした部屋着を着た紫優くん。
ちょっと 可愛いかも… と 思ったのも束の間…


「朝起きたら 居ないんだもん…!
ヤリ逃げなんて 酷い…!」

喚いて 抱きついてくる。


「ちょっと!人聞き悪い事、言わないでよ!
しかも…っ 親の前で 抱きつくな! 変態!」

ぐぐ…っと 紫優くんの胸を押して
抵抗する。


「酷い…! 昨日は 詩史から 
襲ってきたくせに…!」

「わーーーーっ!!!!! ヤメてよ!」

何を言い出すんだ!コイツは!!! と
慌てて 口を塞ぐ。


「あらあら… 無理矢理はダメよ?」

私の必死の隱蔽を 母は 誂う様に 笑い飛ばした。
紫優くんは 益々 調子に乗って
私を 困らせる。

「詩史に襲われて もうお婿に行けない!
責任取って…♡」

「嫌ぁ〜〜〜〜〜!!!!!」
ヤメて〜!!!!!


朝から 近所迷惑な 絶叫を 響かせた。

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