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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第42章 朝練

ぎゅっと 後ろから 紫優くんに抱きしめられると 力が抜けて…
足から 崩れ落ちた。


紫優くんの 腕の中で ガタガタと 震える。 


「…っ クソ…っ!」

ギリッと 奥歯を噛み潰して 
何で前に進めないのか! と 悔しがる。

ただの 階段なのに…!


「詩史…」

紫優くんの掌が 私の頬に触れて… 振り向くと
紫優くんが キスしてくる。  


ちょっ…と 何 考えてるの?
人が 必死に 克服しようと しているのに !!!


苛ついて…
顔を振って 抵抗するのに

身体も 頬も 固定されて…
私の口内は 紫優くんに 易々と 侵される。


「ん…💢 ふ… んー…!」


恐怖心は いつの間にか 苛立ちに変わって…
苛立ちは いつの間にか 絆されていく。

しつこい紫優くんの ディープキスに 諦めて
受け入れる。

唇が 離されて 荒く息を吐きながら 紫優くんを 見ると 紫優くんは ニコッと笑った。


「いい顔…!かーわいー♡」


誂われてる…!と 思った私は 
紫優くんを ぽかぽか 叩いて 怒る。


「もぉ…! 何するのよ! 人が…」


紫優くんを 叩こうと 立ち上がって
追いかけて いたら…
階段を 2段 3段… と 降りていた。


「…あれ… ?」


驚いている間に 
また 紫優くんに 抱き寄せられた。


「スキあり!♡」

唇を奪われて…

「ん~~💢」

また 怒って… 

追いかけて…

最後は… 愛茉ちゃんが 立っていた 柱の下で…
紫優くんは両手を振って 降参する。


「ふふっ ごめん ごめん♡」


笑いながら 両手を広げて 
おいで って 誘ってくる。


「もぉ…💢! キスし過ぎ!」


紫優くんの袖を 乱暴に掴んで…


「… ありがと…」


恥ずかしいから 
視線を反らして  感謝する。

いつの間にか この場所への 恐怖心は
薄れていた。


紫優くんの指が 私の髪のゴムを解いて
乱れた髪の毛を梳く。  
眼鏡を外されて…
瞳を 覗き込んでくる。


「無理しないで…? 心配になるじゃん…」


ドキッ !
 
久しぶりに 紫優くんの 真剣な顔を見た。

頬に触れてくる 紫優くんの掌は 大きくて
いつも とっても温かい…。 

手の温もりに 心まで 温まって…
とろん… と 微睡んで…
素直になる。

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