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私は　隣に住む同級生　
内海紫優（うつみしう）くんが　嫌いだ。

嫌いな理由は勿論ある。

紫優くんは器用で…
何を作らせても　上手だし、　勉強も出来て
運動神経も良い。

私は　負けず嫌いで…
軽く　私の上を超えて行く　紫優くんを
勝手に　ライバル視していた。

加えて　紫優くんは
ハーフのお父さん譲りの　整った顔立ちと、
2番子特有の愛嬌で　周囲を簡単に魅了する。

紫優くんの周りには　常に　人がいる。

キラキラと…　

学校では　アイドルの様な　存在だ。
　

一方の私は…
愛嬌も無く　グループが苦手で…
人付き合いは　悪い。

紫優くんの前では　特に　特に　可愛気は無い筈だ。

なのに…
紫優くんは　私を「好き」だと言う…。

平然と　みんなに　言いふらすモノだから
私は　紫優くんのファンに　敵視されてきた。

紫優くんのせいで　
静かで　平和な学校生活は　奪われ、　
肩身の狭い　小学校時代を過ごした。


「紫優くんなんて　大嫌い…！」

そう　告げる私に　紫優くんはにっこりと微笑む。

「今日も　怒った顔が　可愛いね♡」

…ねぇ　絶対に　バカにしてるでしょ…？

紫優くんと居ると　調子が狂うし、
何だか　紫優くんの手の内で　踊らされている様で　癪に障る…！


中学校は　紫優くんから離れて
静かで　平和な学校生活を…！

そう　望んで　受験した。

のに…　　

何喰わぬ顔して　紫優くんまで　合格していた。


こうして　私は　ストレスの溜まる日常を
引き続き　中学校でも　する羽目になっていた。