飼い猫 🐈⬛🐾
第2章 ファーストキス
高校生になり、慣れ始めた6月。
私は 10名程の 紫優くんのファンに
囲まれていた。
「倉田さん。 紫優くんの事が嫌いとか言いながら 紫優くんの気を 引いてるんでしょ?」
中学時代から紫優くんのファンを取り仕切る
山崎さんが 私に詰め寄る。
「はぁ…? 何バカな事 言ってるのよ。
あんなヤツ、 熨斗付けて あげるわよ。」
ウンザリ。
こうやって 囲われるのは もう何回目だろうか…。
しかも なんで 複数で来るのかな?
言いたい事があるなら 1人で直接
言えばいいじゃない…?
だから グループは嫌いなのよ…。
毎度の事とはいえ、 良い時間 ではない。
「私だって いい迷惑なのよ。
誰か早く 紫優くんと付き合ってよ。」
「紫優くんは 倉田さんが 好きだって
何人も告白したけど みんなフラれたもの…!
倉田さんが 思わせぶりな態度を取るから
紫優くんも 吹っ切れないのよ!」
「思わせ…? バカバカしい…!
貴女達こそ 私ばっかり 責めてないで
紫優くんを振り向かせてよ。
私は 応援してるのよ?」
「ムカつく!
いつも偉そうにして… 私達を見下してるでしょ!」
「はぁ…?」
いつ 偉そうにしたのよ…。
貴女達を高み見物するほど 私は暇じゃ
ないんですけど…
余程 言い掛けて… 口を噤んだ。
きっと彼女達は 何を言っても 気に入らない筈だ。
私が… 紫優くんに 好かれてるから…。
「… そんなつもりはないわ。」
悲しい…
私は 貴女達とだって 仲良くなりたいのに…
踵を返して 彼女達から 離れる。
「あ! 逃げる気?! 待ちなさいよ!!!」
彼女達の声を振り切って
走って 校舎に駆け込むと 人にぶつかった。
「ご… ごめんなさい!」
ズレた眼鏡を直しながら ぶつかった人に謝罪する。
次の瞬間 ぎゅっと 抱きしめられて…
「…詩史 ごめんね♡
助ける出番 無かったね…」
頭の上から 聞こえた声で
紫優くんの腕の中だとわかって
ぎょっとした。
「! 見てたの?!
サイテイ! っていうか 離せ…!」
「嫌だよ〜
詩史から 飛び込んできたんじゃない♡
って あれ…」
紫優くんに 顔を覗き込まれて
ドキッとする。
涙目を見られたくなくて 顔を俯かせた。
私は 10名程の 紫優くんのファンに
囲まれていた。
「倉田さん。 紫優くんの事が嫌いとか言いながら 紫優くんの気を 引いてるんでしょ?」
中学時代から紫優くんのファンを取り仕切る
山崎さんが 私に詰め寄る。
「はぁ…? 何バカな事 言ってるのよ。
あんなヤツ、 熨斗付けて あげるわよ。」
ウンザリ。
こうやって 囲われるのは もう何回目だろうか…。
しかも なんで 複数で来るのかな?
言いたい事があるなら 1人で直接
言えばいいじゃない…?
だから グループは嫌いなのよ…。
毎度の事とはいえ、 良い時間 ではない。
「私だって いい迷惑なのよ。
誰か早く 紫優くんと付き合ってよ。」
「紫優くんは 倉田さんが 好きだって
何人も告白したけど みんなフラれたもの…!
倉田さんが 思わせぶりな態度を取るから
紫優くんも 吹っ切れないのよ!」
「思わせ…? バカバカしい…!
貴女達こそ 私ばっかり 責めてないで
紫優くんを振り向かせてよ。
私は 応援してるのよ?」
「ムカつく!
いつも偉そうにして… 私達を見下してるでしょ!」
「はぁ…?」
いつ 偉そうにしたのよ…。
貴女達を高み見物するほど 私は暇じゃ
ないんですけど…
余程 言い掛けて… 口を噤んだ。
きっと彼女達は 何を言っても 気に入らない筈だ。
私が… 紫優くんに 好かれてるから…。
「… そんなつもりはないわ。」
悲しい…
私は 貴女達とだって 仲良くなりたいのに…
踵を返して 彼女達から 離れる。
「あ! 逃げる気?! 待ちなさいよ!!!」
彼女達の声を振り切って
走って 校舎に駆け込むと 人にぶつかった。
「ご… ごめんなさい!」
ズレた眼鏡を直しながら ぶつかった人に謝罪する。
次の瞬間 ぎゅっと 抱きしめられて…
「…詩史 ごめんね♡
助ける出番 無かったね…」
頭の上から 聞こえた声で
紫優くんの腕の中だとわかって
ぎょっとした。
「! 見てたの?!
サイテイ! っていうか 離せ…!」
「嫌だよ〜
詩史から 飛び込んできたんじゃない♡
って あれ…」
紫優くんに 顔を覗き込まれて
ドキッとする。
涙目を見られたくなくて 顔を俯かせた。