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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第43章 文化祭

意地悪に 口角を上げて…
応戦宣言してきた紫優くんに  苛立った。


「その言葉 そっくり そのまま返してあげるわ!」


投票があると知ってから
私は 執事とは何たるか… 関連の本を読み漁り、
勉強してきた。


紫優くんには 絶対に 負けたくない!!!



ところが 文化祭当日…


「しふみん~~~ ごめん〜! 執事の服の数が
合わなくて… メイド服、着てよ〜」


装飾部から 衣装を貰って 皆に配布していた
衣装担当の晶ちゃんから 言い渡された。


「えっ?! 嘘でしょ?!」

絶対に 嫌なんだけど…! と焦る。


エプロンも スカートも ふわふわのひらひらで… 
絶対 似合わない…!
何より… 死ぬ程 恥ずかしい !!!!! 

最初から メイドは嫌だと 猛反発して、 
執事にして貰っていたのに…!

そもそも 数が 合わないとか 可怪しい…!


「…晶ちゃん 謀ったわね…?」

「え~? なんの事ぉ?☆
大丈夫だよぉ! しふみんは 絶対可愛い! 
っていうか 見たい…!♡♡♡」

ウキウキ…♡ 

期待の籠もった 晶ちゃんの瞳に 
溜め息をついた。


晶ちゃんみたいに小柄で…
こうして 上目遣いに見つめられても
可愛いな… と思える様なコだったら
良いと 思うけど…

私みたいな 体育会系の 愛想のない子が
こんな 可愛い衣装を着るのは どうなのよ…


メイド服を 渋っていると…


「なぁに? どうしたの? トラブル?」


ロングテールコートに
清潔な白いシャツと 黒いネクタイという
執事の衣装を纏った オールバック姿の紫優くんが
声を掛けてきた。

前髪が 少し遊ぶ様に下がっているのが 
おしゃれで 色っぽくもある。

余りにも ド嵌まりなその風貌に
思わず… 息を呑んだ。

と 視界の端から 血飛沫が飛び…

隣を見ると 晶ちゃんが 鼻血を流して 
倒れていた。


「あぁ…! 晶ちゃん…! しっかりして!」

「しふみん… 私は もうダメ…
せめて… 冥土の土産に しふみんのメイド姿が
見たい…」


死に絶えそうな 晶ちゃんの手を握り…


「わかったわ…! 
なんて…
なる訳ないでしょー!」

晶ちゃんに 突っ込んだ。


「えー! ダメぇ? 良いじゃん! ケチぃ〜」

晶ちゃんは 涙を流して ブーブー文句を言う。

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