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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第43章 文化祭

「お帰りなさいませ  お嬢様♡
お飲み物は いかがなさいますか?
本日の焼菓子は
こちらがおすすめで ございます♡」

晶ちゃんの…
なんと 可愛らしいメイド対応…!
あんなの 出来ない…!  と慌てる。 


他の子も…
何だか みんな メイドになりきってる…!


無理ぃ〜!!!!! 

心の中で 大絶叫する。



「お帰りなさいませ♡ お嬢様…」

「っきゃーーー♡紫優くん♡♡♡」

振り返ると 黄色い歓声と 人だかり…

紫優くんの周りだけ ファンサービス会の様…
別世界だった。


マズい!
このままでは 紫優くんに 負けてしまう!
どうしよう… 

困り果てていると…


「詩史ちゃん どうしたの? 具合悪い?」


縮こまる私を 心配して 悠理くんが
声を掛けてくれた。


「あぁ… 悠理くん…
紫優くんに 勝ちたいのに…
恥ずかしいし 似合わないし…
困り果ててたトコ…」


苦笑いする私に 
悠理くんは 優しく 笑い掛けてくれる。

「大丈夫だよ。
人の喜ぶ事が大好きで、面倒見の良い詩史ちゃん
なんだから。 普段通りでいれば 良いよ。」

「そう… かな?」

「そうだよ! ほら、 行っておいで?
このままじゃ 紫優に 負けちゃうよ?」


悠理くんに 背中を押されて…

クラスをウロウロしていると…


「きゃ…!」

お茶を洋服に溢してしまった お嬢様を発見。

「お嬢様…! 火傷など されませんでしたか?
すぐにこちらへ… お召し物の染み抜きを
致しましょう…!」

対応後に 
笑顔で御礼を言われると 
ちょっと 嬉しくなった。


それから…

「旦那様… 困ります!」

クラスの女子が 男性に 手を取られて 困っていたのを見つけて…


「旦那様 申し訳ございません。
こちらは 楽しくティータイムを お過ごし頂く場所となっておりますので…
メイドに触れる事は ご遠慮頂けませんか?」

殺気を潜め にこっと笑顔で対応すると…

男性は 黙りこくって 女子を開放した。


「…っ 倉田さぁん ありがとう~~~」

「大丈夫だった? 
困ったら すぐに私を呼んでね!」


そうして この空間が 和やかな空間に
戻っていくのを見て…

嬉しさと やりがいを 感じ始めた。


そっか。
衣装の事を気にせずに
いつも通りで いいんだ。

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