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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第43章 文化祭

「お帰りなさいませ お嬢様!」

挨拶にも慣れてきた頃…

「あら♡ 詩史ちゃん!」


カフェを利用しに 来てくれたのは
夏葉さんと お兄ちゃん だった。


「似合うわぁ〜♡ 素敵よぉ♡
ちょーかわいい♡♡♡」 

スマホで パシャパシャと 色々な角度から
写真を撮られまくって…
恥ずかしい…


「へー 可愛いじゃん♪
眼鏡も 外したら いいのに。」

お兄ちゃんの言葉に…
紫優くんに 取っちゃダメって 言われた と
耳打ちする。

「あ〜… なるほどね…(笑)
相変わらず 独占欲 強ぇな。 
で、紫優は〜… って あの人集りか…!」


伝えずとも 居場所がわかる紫優くん…。 


「ねー 詩史ちゃん! 髪型変えてもいい?」


夏葉さんに 連れ出されて…
1つ結びを 解かれると
ツインの ゆるい三つ編みにしてくれた。

最後に 少しだけ 唇に ルージュを…


「うん♡ 可愛い♡
さっきも マジメな感じで良かったけど♡
眼鏡を活かして ヘアはこの方が 可愛いと思うわ♡
紫優と 勝負してるのよね? 頑張って♡」


夏葉さんに 激励されて…
俄然 やる気になった。


クラスに戻ると
お兄ちゃんまで 人集りに なっていた。


「怜央せんせー♡」
「怜央先生、いつから来てたのぉ?」


お兄ちゃんは今年、 2年生の教育実習生だった。
顔良し スポーツ良し。 
性格が明るくて、面倒見が良くて 
学年を超えて 大人気だった。

紫優くんの 強い希望で 兄弟であることは
伏せていたのだが…
お兄ちゃんの 弟愛が だだ漏れで バレていた。


「紫優〜 紫優〜! わー♡ カッコいい〜!
紫優〜♡」

今も… 一生懸命 手を振って 
『来たよ』アピールしてる。


「怜央! 他のお客様のご迷惑になるから…
もう少し 静かにして?」


お兄ちゃんの愛を 煙たがらずに 
受取る紫優くん…。

そうして 兄弟が揃うと…
ひときわ 歓声が 上がった。


「あら まぁ…。」

夏葉さんが つまらなそうに 頬に手を置き
溜息をついた。

家では よく見る光景。

皆 騒ぎ過ぎ…!


夏葉さんを 別テーブルに 誘導して
紅茶と 焼菓子を用意する。

それから クラスを見渡して
仕事を 探していると…


「お! 倉田さん 髪型 変えたー!」
「おおっ! 可愛い♡」

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