飼い猫 🐈⬛🐾
第43章 文化祭
クラスの男子達に 話し掛けられた。
つい前まで 愛想がなくて 怖がられていたのに…
親しげに「可愛い」なんて言われても
どう 返していいのか わからなくて 固まった。
「ねー 眼鏡も 取って 見せてよ〜♡」
1人の男子の手が 伸びてくる。
ニヤニヤと笑う口元と
頬を赤らめて迫ってくる様子に
嫌悪感を抱く。
…っ! 怖い…
伸びてきたその手に 怯えて…
思わず ぎゅっと 目を瞑る。
その内に バシッと 音がして
手は 私の眼前で 叩き落とされた。
「こんな所で なに暇そうにしてるのさ!
皆 働いてよぉ〜」
私の背中から 紫優くんの声がした。
どうやら 手を叩いたのは 紫優くんらしい。
ほっ… と 胸を撫で下ろす。
男子達は 「ハイハイ…」と面倒臭そうに 返事をして 私から 離れていった。
「詩史も! 何 ぼーっとしてるの!」
紫優くんに 言われて…
ハッと する。
「あ…」
いつもの調子に すぐに 戻れない。
紫優くんは 私の様子に すぐに気がつく。
「ごめん ちょっと 休憩!」
クラス役員に声を掛けて
私の手を握って クラスから 脱出した。
でも…
廊下を歩く 紫優くんは 皆の注目の的。
風貌が目立ち過ぎて 落ち着けそうにない。
そうして 紫優くんが 連れて来てくれたのは
屋上に続く 滅多に人が来ない 階段の踊り場。
来客用に 立入禁止テープが貼られていた。
「あいつらに 何か された?」
階段の踊り場に着いて 人の目が気にならなく
なると、紫優くんは やっと 話し始める。
紫優くんの言葉に 頭を横に振る。
何か された訳じゃない。
私が勝手に 嫌悪感を持っただけだから…
でも その説明を 口に出来ない。
恐怖の余韻が 私の身体を固くさせる。
「詩史… 抱きしめて 平気?」
俯いて 何も言えない私に 紫優くんが確認する。
こういう所… 本当に抜かりない。
悔しいけど… 優しくて 嬉しい。
頷くと
紫優くんが ふわっと 抱きしめてくれる。
今にも 壊れそうなモノを 扱うように
優しく 抱き寄せられて
私を 安心させる様に 背中を撫でてくれる。
紫優くんの 温もりと
とくとくと 耳に心地良い 紫優くんの鼓動に
強張っていた身体が 緩む。
つい前まで 愛想がなくて 怖がられていたのに…
親しげに「可愛い」なんて言われても
どう 返していいのか わからなくて 固まった。
「ねー 眼鏡も 取って 見せてよ〜♡」
1人の男子の手が 伸びてくる。
ニヤニヤと笑う口元と
頬を赤らめて迫ってくる様子に
嫌悪感を抱く。
…っ! 怖い…
伸びてきたその手に 怯えて…
思わず ぎゅっと 目を瞑る。
その内に バシッと 音がして
手は 私の眼前で 叩き落とされた。
「こんな所で なに暇そうにしてるのさ!
皆 働いてよぉ〜」
私の背中から 紫優くんの声がした。
どうやら 手を叩いたのは 紫優くんらしい。
ほっ… と 胸を撫で下ろす。
男子達は 「ハイハイ…」と面倒臭そうに 返事をして 私から 離れていった。
「詩史も! 何 ぼーっとしてるの!」
紫優くんに 言われて…
ハッと する。
「あ…」
いつもの調子に すぐに 戻れない。
紫優くんは 私の様子に すぐに気がつく。
「ごめん ちょっと 休憩!」
クラス役員に声を掛けて
私の手を握って クラスから 脱出した。
でも…
廊下を歩く 紫優くんは 皆の注目の的。
風貌が目立ち過ぎて 落ち着けそうにない。
そうして 紫優くんが 連れて来てくれたのは
屋上に続く 滅多に人が来ない 階段の踊り場。
来客用に 立入禁止テープが貼られていた。
「あいつらに 何か された?」
階段の踊り場に着いて 人の目が気にならなく
なると、紫優くんは やっと 話し始める。
紫優くんの言葉に 頭を横に振る。
何か された訳じゃない。
私が勝手に 嫌悪感を持っただけだから…
でも その説明を 口に出来ない。
恐怖の余韻が 私の身体を固くさせる。
「詩史… 抱きしめて 平気?」
俯いて 何も言えない私に 紫優くんが確認する。
こういう所… 本当に抜かりない。
悔しいけど… 優しくて 嬉しい。
頷くと
紫優くんが ふわっと 抱きしめてくれる。
今にも 壊れそうなモノを 扱うように
優しく 抱き寄せられて
私を 安心させる様に 背中を撫でてくれる。
紫優くんの 温もりと
とくとくと 耳に心地良い 紫優くんの鼓動に
強張っていた身体が 緩む。