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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第43章 文化祭

「あぁ… 痛かったね!
涙目になっちゃって… 可哀想…!」

紫優くんは私の頬を 撫でて 
頬を染めて 嬉しそうにする。

言葉だけ… 
可哀想だなんて 微塵も 思ってない。


「誰のモノか 首輪を着けて おかないとね。
お外は 危ないから…」


そう言って 近づいてきた唇を 
私は 咄嗟に押えて キスを 避けた。


「紫優くん ありがとう。
もう 落ち着いたから… 戻ろう。」


このままくっついていたら シタくなっちゃう。


紫優くんは 私の気持ちを 見透かしてる。
クスッと笑って 

「戻ろうか…」

階段を降りていく。


でも… やっぱり もう少しだけ…

名残惜しくて…


紫優くんの背中に 飛びついて 
紫優くんを 引き留めてしまった。


「?! 詩史…?」


完全に不意打ちだった紫優くんは 驚いて…
困惑の声を上げた。


「ごめん もう少しだけ…」


紫優くんの背中に 擦りついて
その温もりを 味わう。


もう少し だけ…


「… 珍しいね 
詩史が 俺を 引き留めるなんて…」


紫優くんに しがみつく 私の手の甲を
紫優くんが 上から重ねてくる。


温かい…

安心する…   大好き…



今日1日分の 充電を 補うと…

私は潔く 紫優くんから離れた。


「先に 戻るね!」

「はぁ?!」


私の温もりで 共に微睡んでいた紫優くんは
急に無くなった温もりと 私の言葉に 驚いた。


「だって 早く戻って ポイント稼がないと!
紫優くんに 負けたくないもん!」

捨て台詞を吐いて…
私は 猛ダッシュで クラスに戻る。


私に引き留められた挙げ句
置き去りにされた  紫優くんは
私の 振り回しに 呆れていた。


「…っとに… 気紛れな 猫 め…! 💢」

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