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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第46章 時が 来たら…

「紫優くん 大丈夫だよ…?
1週間なんて あっと言う間だよ! ね?」

幼い子を 励ます様な気分になって
優しく 紫優くんに 声を掛ける。

同時に 自分にも言い聞かせた つもりだったのに… 

紫優くんは 
私の態度が 気に入らなかったらしい。


次の瞬間 押し倒されて…
紫優くんは 冷たい瞳で 私を見下ろした。


「躾 足りてないな… 詩史…」


馬乗りになって… 
紫優くんが淡々と ワイシャツのボタンを
外していく。


「?! ヤ…だ! 帰って来ちゃう!」


こんな… リビングで?!
お母さんが 帰って来ちゃう! と 慌てる。


「大丈夫。 その前に 終わらせるよ…
だから 大人しく 俺に 溺れて ?
怖い事は 忘れさせてあげる。
片時も 離れたくなくなる くらいに 
刻みつけてあげる。」

「嫌よ!」


抵抗して 紫優くんを押し退けると
紫優くんは驚いて… 困惑の色を見せた。

今まで 流されてきた私が 抵抗したから
戸惑っている。


「…そんな 一方的に 済ませないで!
ちゃんと 抱いて 欲しい…
惑わせも はぐらかしも 要らない!
私だって 紫優くんをちゃんと 愛したい!」


キッと 真っ直ぐに 紫優くんを睨むと
紫優くんは 項垂れた。


「…そんな ちゃんと 抱いて 欲しい だなんて
詩史… そんな意思のこもった眼で 睨んで…
…っ ゾクゾクする!」

「?!」


私の睨み目が嗜好品の 変態な紫優くんは
耳まで真っ赤にして 悶えた。

同時に 冷静になった私も
自分の発した言葉に 顔を 赤くする。


「…だって 最近 猫可愛がり なんだもん。
今日は流されるより 優しく 包まれたい…
ここじゃ 嫌だよ… 部屋に 行こ?」


自分から 誘う時が 来るなんて…

恥ずかしくて 顔を見れないけど…
紫優くんの服を 遠慮がちに 引っ張って
誘った。


「詩史… …ごめん!
わかった。 部屋に 行こう?」


部屋に着くと…
お互いに お互いの服を 脱がしあって
ベッドに 倒れ込んで 抱きしめ合った。


お互いの肌に 優しく触れて 時折キスをする。


「温かい…」

「うん… 幸せだね…」


紫優くんの温もりと 匂いに包まれて 幸せ…
他には 何も要らない。


全てが悪い夢で…  目が 覚めたら
全て 嘘だったらいいのに…。 

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