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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第47章 聖なる夜に…

ドンッと 紫優くんを押し退けて
毛を逆立てた猫の様に 怒って  睨みつけた。


「しつこい! 触らないで!」

シャーっと 威嚇する私に

紫優くんは漸く 我に返って…
一転して慌てた。


「あーあ! 詩史ちゃんを 怒らせちゃった!☆
紫優が しつこくするから…」

景斗さんも 苦笑いする。


「詩史…っ ごめん! ごめんね?」

オロオロと謝る紫優くんだけど
私は 怒りが 収まらない。

「暫く 離れてて!」

ゴゴゴ… と見えない烈火を纏わせ
皆がいる リビングに戻った。


景斗さんが加わり、
大人達は益々 子供の様に はしゃいで
クリスマスパーティーを 楽しむ。

紫優くんは終始 私の顔色を チラチラと
窺っていたけど、
私は つーんと 無視をして
皆とパーティーを 楽しんだ。

そうして大人達は いつもの様に酔い潰れて…
各々 リビングで寝てしまった。


私は 洗い物を担当し、 紫優くんは 片づけを
する。


「…ねぇ 詩史… ごめんね?
まだ 怒ってる?」

洗い物をしていた 私の横に立って 
紫優くんが 申し訳なさそうに 謝罪する。


「いくらなんでも
景斗さんの前で キスは 無いでしょ!」


紫優くんに 見向きもせずに
私は 黙々とお皿を 洗い続けて 説教する。


「…はい… ごめんなさい…」

項垂れて 謝罪してくる。それから…

「…まだ 触っちゃ だめ?」

辛そうに 眉毛を歪めて
触れる許可を 懇願してくる。


だめ! と言いたい処だけど…

私も そろそろ 紫優くんの温もりが 恋しい。
言葉にするのは 何か 悔しいから…
チラ… っと視線だけ 送ってみる。


「…っ!」

私の視線に 
紫優くんは みるみる顔を 赤くした。


「…っ  し ふみ…!」

我慢出来ない!とばかりに…
紫優くんは ぎゅっと 私を抱きしめる。


「そんな 物欲しげに 俺を見て…!
可愛い…っ! 
触るなと言われても 今のは無理…!」


悶絶する紫優くんを前に、
そんなに 端ない視線を送っていたかな?と
慌てる。


でも 触れて貰える事は 嬉しい…!


すり…っと 紫優くんの頬が 私の頭に擦りついて
ちゅっ ちゅ… と キスの雨が 降ってきた。


気持ち良い… 


目を瞑って その感触に 悦ぶ。

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