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紫優くんは　どういうつもりなの…


ショックで…

そっと　ドア伝いに　座り込んだ。


「ねぇ　詩史…　ショック？」


わざわざ　確認してくる事にも
言い当てられた事にも　腹が立つ。


キッと　睨みつけて
ドアの向こう側に　居るであろう　紫優くんに
言い放つ。


「いつか　地獄に墜ちるわ。　最低！」


私の言葉に　紫優くんは　フッと笑った。

「何を　そんなに　怒っているの…
そんなに　ショック　受けたんだ。」

「違う！」


「…そうだね。
今だって　十分　地獄みたいなモノだよ？

彼女なんて…　詩史の代わりでしかない。
他の女の子達も…
詩史への寂しさを埋める　代わりでしかない…
俺が愛しているのは　詩史だけだよ？」


ゾクッ…

背筋が　凍る。

何…　言ってるの…？


「ねぇ…
詩史が　俺を受け入れてくれないから…
可哀想な　女の子が　増えていくよ？
心が　痛むでしょ…？
詩史は　優しいもんね…」


紫優くんから　次々と…
信じられない言葉が　出てくる。


付き合ってるのに…
私の　代わりだ　って言うの…？


紫優くんを好きだと　本気な子は　沢山いる。

嫌な思いは　させられるけど…

その1つ1つは
好きな人を一途に追い掛ける　純粋な気持ちだ。

そんな想いを…
何で平気で　踏みにじれるの？


ショックから　段々と　怒りに　変わる。


「ねぇ…　俺も　可哀想でしょ？
こんなに　詩史しか　愛せないなんて…
詩史だって　本当は　わかってるでしょ？
俺の気持ちを考え出したら…
優しい詩史は　罪悪感で　潰されちゃうもんね…」


話の矛先を　急に変えられて
ドキッとする。


急いで　耳を塞いで…
頭を振って　紫優くんの言葉を　追い払う。


知らない！　知らない！　知らない！　
私は　紫優くんの気持ちなんて　知らない！　


「自分の気持ちに　早く気付いて…　詩史…
メリークリスマス。
プレゼントを　置いておくね。」



ドアに凭れたまま…
遠退く　足音を　聞いていた。



身を固くして　どの位の時間が　過ぎただろう…
いつの間にか　寝ていたかも…？


ドアを開けてみると

パタン
何かが　倒れた音がした。

「？」

ドアの前を　確認すると…


Merry Christmasと　シールの貼られた
プレゼントと　思われる物体。