無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

紫優くんとの　キスを…
抱きしめられた時の　温もりを…　
紫優くんの匂いを　思い出す。


だから…　刻みつけたのね…。
私の体が　紫優くんを　恋しがる様に…

私から　紫優くんを求める様に…


『認めたら　いくらでも　相手してあげる…。
だから早く　俺の手に　堕ちておいでよ…。』

そういう事…！





「…！　あ、いけない！」

忘れ物に気がついて…　私は教室へ引き返した。

階段を１つ上がり、オープンスペースを通り過ぎ、

見えてきた　教室に　人が居ると　気がついた。



女子1人と　紫優くん…


？　？　！！！


驚いて…　　思わず　身を隠した。



「何見てるの？」
うわぁ！！！！！

突然の声に　心の中で　大絶叫した。

「…！！！　悠理くんか…！」

振り返ると　悠理くんが居た。

「悪い子！　盗み見！（笑）」
「違うよ…！　忘れ物を取りに来たら　たまたま…」

悠理くんは　私を茶化しながら　自分も教室の様子を　確認する。


「あれ…　ウチのマネの関口（せきぐち）さん
じゃん…？　と、　紫優？　告白タイム？」


悠理くんの言葉に　ズキッ　と胸が痛む。

悠理くんが　フッと笑って　私を見る。

「気になる？」
「別に…！」

即答するが…　　すごくすごく　気になる。


悠理くんと話していたら　
ガタン…と　教室から　音がして…


関口さんが　紫優くんに迫って　キスをした。


ゆっくり　確実に　私の　脳裏に　その光景が
焼き付く。


ヤ…　　　やだ…！！


悠理くんの手が　私の視界を遮って　

そのまま

悠理くんに　引き寄せられた。

「ショック？」

いつの間にか流れていた涙を　悠理くんの指が
拭う。

悠理くんを　見上げる。

「俺なら　泣かさないけど　な…。」

抱き寄せる腕に　力が籠るのを　感じた。



「…っ　ごめん！」

悠理くんの手を　解いて
私は　その場から　走り去った。


図書室に駆け込んで　荒れた心を　鎮めようとする。
色々な本を読み漁るけど…

全然　頭に入ってこない。


ズキン　ズキン　と　脈打って
自分の心が　大怪我をしたみたいに　痛い。


「は…っ」

息が…　苦しい…


本の上に　ポタポタと　涙が　落ちる。


ねぇ…　コレも　作戦なの…？
それとも…　

私の事は　もう…　　　？