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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第49章 指輪の行方

「反省している様だね。 仕方が無いな…!」

紫優くんが そっと 唇を重ねて くる。

「…っ」

嬉しくて…
ぶわ…っ と 涙が こみ上げてくる。


控えめに 紫優くんのシャツを掴むけど
この温もりを 失わない様に 私は 必死だった。


私は 完全に 紫優くんという沼に ハマって
紫優くんに 依存してる。

飼い主の愛を信じて 疑わず
ただひたすらに 愛されたいと 願ってしまう。


唇が離れると 寂しくて…
シャツから 手を離す事無く 紫優くんを見つめた。

もっと シテ…


「…っ ヤバ…! 何 その 顔…!」


紫優くんが 顔を真っ赤にして
眉毛を下げて 困り出した。


「今… 何しても 怒らない でしょ。
そんなに 俺を 受け入れて くれるんだ…。」


紫優くんは 口元に手を当て 動揺を抑えようと
必死に なっていた。


私の 可愛くない 数々の反抗には
手慣れている 紫優くんでも

真っ直ぐで 素直に 紫優くんを求める私には
慣れていない様子。


「俺が 怒ったのが そんなに悲しかった?」


顔の赤さが 引かない紫優くんは
私を直視出来ない とばかりに
顔を逸らしながらも
私を 抱きしめる。


私は 紫優くんの腕の中で 紫優くんの質問に
頷いた。


紫優くんは はぁ… と溜息を吐いてから

耳に掛かる 髪の毛を避けて
そっと私に 吹き込んだ。


「じゃあ… お仕置き するね?
それで 許してあげる…」


私の頷きに 紫優くんは 目を細めた。
 

「時間 掛けた甲斐が あったよ。
あの詩史が こんなに俺に 従順になるなんて…
苦労したコほど 可愛いと言うけど…
堪らない ね…♡」


すっかり
落ち着きを 取り戻したらしい 紫優くんは
妖しげな笑みを浮べて 飼い主らしい 威厳を放つ。

私は その首元に 擦りついて…
紫優くんの 愛を 欲しがる。


「ふふ… 詩史の気が 変わらない内に
お仕置きと いこうかな!
何せ 詩史は 気紛れな猫ちゃん だからね。」


私の肩を 抱きながら
紫優くんは 私の左手の薬指… 指輪に
キスを 落とした。 

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