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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第51章 冬休み

「…コレだから 心配なんだよ。」

紫優くんは 短く溜息を吐いて
呆れた顔で 私を見た。


何で???


「ところで紫優くん!
お腹が 空いたでしょう?
どこかで 食べて行かない?」


私のせいで 昼無しに させしてしまった から
外食を提案する けど…


「…いや」

否定の言葉と共に
突然 抱きしめられて ビックリする。


いつもだったら
『こんな街なかで 抱きつくな!』
と 嫌がるのだが…


今日1日… 珍しく
紫優くんは 一切 私に 触れて来なかった。
本に集中する私を 保護者の様に
側で 見守るだけだったから…

私も 紫優くんが 恋しくなる 頃合い…
大人しく 抱かれて あげた。


「帰りたい。
詩史 朝、シチュー作ってたでしょ?
食べたい…」

「…そんなので いいの?」

「詩史のご飯が良い…
外だと 落ち着かない。」


まぁ それは 一理ある。

紫優くんの容姿が 人々の興味を引き付けて
常に視線を 感じる。

でも… それって 何だか 寂しいよね…
人の視線が気になって 楽しい事が出来ないなんて…


「ねぇ 紫優くん!
今度 どこか個室を予約して
ゆっくりご飯を 食べに行こう?
指輪の御礼で! ね?」

私が 提案すると
紫優くんは ちょっと驚いた顔をしてから
デレッ と破顔した。


「詩史… 個室だなんて そんな…!
エッチな響きで 俺 興奮する♡」

紫優くんの言葉に
私の方が驚き、慌てた。


「は… あ? 何 考えてるの!」

「詩史に 触る事しか 考えてないよ ♡」

頬を赤くして 大マジメに答える
紫優くんに 呆れる。


「…紫優くん
その容姿でなかったら 本当にただのヤバい人
だよ…。
もっと世の為、人の為に
その容姿を 活かして欲しいわ…」


前から 思ってた。
このイケメンは 何の為に 持ち合わせたモノ
なんだ…!?
つくづく… 勿体なく 思う。


「詩史は この顔は好き?」

顎を 掬われて
紫優くんの顔が 突然 至近距離に近づく。


「…別に。」

素っ気なく 返したつもり だったけど…


「ふっ! 顔真っ赤♡ 可愛い♡」


紫優くんに 指摘されて
益々顔が 赤くなる。


ムダなイケメンめ…!
意味なく 近づくの ヤメて欲しい!!!

キスされたのに
突き飛ばし 忘れてた…!

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