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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第57章 嵐

この本は…

一条聡司の 映画化が 決定した記念で
発売された 本編の裏話。
もう1つの物語 的な本で
私が持っていたのは 
抽選でしか 当たらない 直筆サイン入り、
限定 特別ケース版。
ファンなら 垂涎モノだ。

昨年のクリスマスに 紫優くんが
廊下に置いていった プレゼントは
この本だった。


「す… 凄い…!
あの倍率の抽選に 当ったって事
ですよね?!」

男の子は 涙目になりながら 本を撫でる。

ファンなら 確かに そういう気持ちになる。
私も プレゼントの袋を開けた時は
何が起きたのか 一瞬 フリーズした。
改めて…
紫優くんは 何者なのだろう???
と 本気で 考えた(笑)


「倉田先輩は 強運まで
持ち合わせて いるんですね…!」

急に 名前を 言われて…  驚く。

はて? 知り合いだったかしら…?


私の疑問を 読み取って…
男の子が 説明を しだした。

「あ… 馴れ馴れしく スミマセン💦
僕は M大附属中学3年の生徒です。
倉田先輩は 頭も良いし、運動の成績も優秀で
有名人ですからね!」

「あ… ウチの 学校だったの…!
しかも 1コ下?!」


世間の狭さに 驚く。

あどけない から もっと 年下かと思った…!


「内海先輩も有名です。
お付き合い されてるんですか?
羨ましいなぁ…!」

ボンッ!

急に 紫優くんを 出されて…
後輩を前に 顔を 赤くして しまった。


「わ…♡ 倉田先輩って
可愛らしい方 だったんですね!」

私の反応に 男の子は にっこりと 微笑んだ。

「内海先輩が 羨ましいなぁ…!
僕の方が 先に出会っていたら
お付き合い したかったなぁ…!」


え…?

にっこりと微笑む 男の子に
何と 言っていいのか 困惑していると…


ゾクッ…!

背後から 寒気を感じて…
振り返る。


「ひ…っ!」


ドス黒いオーラを纏った 紫優くんが 立っていた。


「勉強していると 思っていたのに…
浮気?」


男の子から 距離を 取る様に
紫優くんが 私の腕を 引き寄せた。


「全く… 誰にでも 心を許す 悪い猫だ。
本当に 閉じ込めちゃうよ?」

私を 腕の中に 収めて
紫優くんが 耳打ちする。

「まさか… 触らせて ないだろうね?」

私の首に 唇を寄せて 低い声で 問い詰める。

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