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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第58章 春眠暁を覚えず

『春眠 暁を 覚えず』
春の眠りは とても心地がいいので
つい寝過ごしてしまう。


春休み中は 璃音くんの事があって…
私は また お外に出して 貰えない。

家猫生活に 戻ってしまった。

外に 行きたがる 猫(私)に
しつこく 猫吸いして
足止めする 飼い主(紫優くん)。


「ニャルソック(窓の外を眺める)で
我慢して? 詩史。」

「私は 猫じゃ な…」

反論する傍から キスで 口を塞がれて
全身を すっぽり 紫優くんに 包まれて
猫可愛がり されちゃう。


「ふふ♡ いいコ♡ かわいい♡♡
俺の もふり は
そんなに 蕩けちゃうんだね♡」

上機嫌な 紫優くんの声を 聞きながら
私は 飼い主様の 愛撫に 蕩けてしまう。

「にゃ♡ あ…! ♡」

ああ… 勉強…!

やらなきゃ いけない事は 沢山あるのに!
飼い主様の溺愛は とても 心地が良いので
つい 流されてしまう。


優しい眼差しに 安心しきって
身体の隅々まで 可愛がられて
甘えて 甘えて…  


ハッと 気がついて 目を覚ました。
時刻は 昼間の11時!!!


隣で すやすやと 寝息を立てる紫優くんを
起こさない様に…
気怠い身体を 静かにベッドから 離して
フラフラと リビングへ向かう。


今日も やられた…!

朝… 図書館の 自習室へ
向かう筈だったのに…!

背中から 抱きしめられて…

『どこに行くの? お外は ダメでしょう?』

メッ! と注意されて
その後… とろとろに 甘やかされた。


こんなに 身体が 重くなるまで
愛されてしまったら
今更 外に出たいだなんて 思えない。


水を飲んでから ダイニングテーブルに 座って
問題集を 開く。

暫く 集中して 問題に 向き合っていると…


「…お外には 出なかったんだね。」

突然 紫優くんの 声が聞こえて ドキッとする。

背中から 身体に 絡みつく様に
紫優くんの腕が 伸びて来て…
抱きしめられると 拘束された 気分になった。

まるで ゲージに 強制送還されるみたい。


「詩史は 言う事を聞けて お利口さんだね♡」


紫優くんの 舌が 首筋を ねっとりと 撫でて
思考が 乱される。
問題を 解く手が 止まる。

「…っ」

「俺の 可愛い 白猫ちゃん♡」

紫優くんの 低い声が
子宮に響いて 疼き出す。

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