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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第61章 嫉妬に 狂う

図書室に戻ってみると…
紫優くんが 居ない。

「あ…あれ?」
どこに 行っちゃったのかな?


やりっ放しにしていた 図書室を片付けて
電気を消して 鍵を閉めた。


「あれ? 紫優は…?」

廊下で待ってくれていた 璃音くんも
不思議そうにした。

「わかんない。
ヤバい…  相当に 怒らせちゃったのかも… !」

今更ながら…  恐怖に 慄く。


「ホラね! やっぱり 先輩だけじゃ
フォローしきれないんじゃん?」

う…っ  そうかも しれない…!

璃音くんの言葉が グサッと 刺さる。


『先に 帰っていいよ?』って
璃音くんに 言ったんだけど…

『紫優に フォロー、 しきれます?
心配なんで 僕も 付いていきます。』

と 言われて…
半ば 押し切られた感じ だったんだけど…。

今更ながらに 自分のしでかした事に 青ざめる。


そう… だよね…
紫優くん めちゃくちゃ 怒ってるよね…?
ただでさえ 嫉妬深いし…
璃音くんから 遠ざけようと していたのに
振り切っちゃったし…。

でも…

冷静に考えたら
元々 そんなに束縛される 筋合い
無いんだけど… ?

逆に 何でそんなに 言われなきゃ
ならないんだ…!


紫優くんからの 理不尽に
段々 苛立ちさえ 感じ始めた。
よって…

私は 紫優くんを捜さずに 下校を決め込んだ。


職員室に 図書室の鍵を 返却して
昇降口へ 向かう。


「あれ? 紫優 捜さないんですか?」

後ろから 見守ってくれていた 璃音くんが
声を掛けてきた。

「捜す必要 ないでしょ。」

璃音くんに 振り返って きっぱりと伝えると…
璃音くんは 顔を 青ざめさせた。


「えぇ…! ちゃんと捜してあげた方が
良いですって! 身の為ですよ?」

そんな 大げさな…!
苦笑いして… 昇降口へ 向かう。


最終下校時刻を 少し過ぎた 昇降口は
薄暗くて しん…と 静まり返っていた。


ふと 人影を見つけて…
背の高さや シルエットから
紫優くんだと 思った。


なんだ… こんな所に 居たのか…!

少し 心を撫で下ろして 紫優くんに手を振る。


「紫優くん! どこに…」
行ったのかと… と 言いながら

近づいて…


ギクッ…!  とした。

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