無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

最終下校時刻を過ぎて　静まり返った
昇降口で　詩史を　侵した。

激しい嫉妬に　自分が　制御出来なくて…

禁忌…　ナマで　詩史と　繋がってしまった。


何　やってるんだ　俺…

詩史を　大事にしたいのに…
詩史の将来を　めちゃくちゃに　する様な
コトをして…！


今までも　詩史に　酷い事を　してきた。
でも…
今日が　１番　最低だ。


お互いの　身なりを　整えて
意識を手離した　詩史を抱きしめて
怜央の　迎えを　待つ。


それから　5分程して…　　怜央が　現れた。

「悪ぃ…　もう少し　早く来る予定だったのに
終わらなかった…　って　アレ？　詩史？」

俺の腕の中に収まる　家出猫、詩史を見つけて
怜央は　ため息をついた。

「ほら…　やっぱり　ちゃんと
戻ってきたじゃねーか！
あんなに　泣くほどじゃ　なかっただろ？」


詩史が　俺を置いて　璃音を追いかけた事が
ショックで…
さっき　怜央に　泣きついた。


『紫優。　大丈夫だ。
すぐに仕事を片付けるから…　一緒に帰ろう？』　
そう　言ってくれて…
昇降口で　怜央と待ち合わせを　していた。


「戻ってきた…　どうかな？
…たまたまじゃない？」

「全く…　詩史の事になると
めちゃくちゃ　後ろ向きだな…
…詩史は　寝てるのか？」

「うん。　沢山　怒ったから
啼き疲れちゃった　みたい…」

「あんまり　泣かせるなよ…。　可哀想だろ…」

怜央は　呆れた様に　ため息を　吐きつつも、
昇降口の前に停めた車に　俺を促した。

怜央に　荷物を　運んで貰い、
俺は　しっかりと詩史を　抱き抱えて
後部座席に　乗り込んだ。


俺の　腕の中で
すやすやと　寝息をたてる詩史。

安心仕切った　その寝顔に
罪悪感を　募らせる。


手元に戻ってきた喜びと　謝罪を込めて…
愛猫の　可愛らしい寝顔に　口づけをする。

頬ずりして　腕の中に　詩史がいる事を
噛みしめる。


詩史を抱きしめて　縮こまる俺に
怜央も　何も　言わなかった。


家に　車が着いて
俺は　詩史を抱えたまま
倉田家の　インターフォンを　鳴らした。


出て来た　香緒さんは
俺の腕に抱かれた　詩史を見て
驚き、慌てた。

「詩史？！」

「寝てるだけです。　ごめんなさい。
ちょっと派手な喧嘩をして　疲れさせて
しまいました。」


それだけじゃ　ない…