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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第63章 Birthday 1

サッカーする姿とか
英文を読み上げる姿とか…

前まで 否定のフィルターで 見ていたけど
やっぱり 普通に カッコいいかも…って

悔しいけど ソレが紫優くんだから…

ちょっとずつ 認め始めてる。
だから…

「…怒んないよ。 多分。
悔しいは あるかもしれないけど…」


話の途中で 突然
インターホンが 鳴った。

テレビドアホンを 確認すると
思いも寄らない 人物だった。

『せんぱーい!』

にこにこと 画面で 手を振っていたのは
璃音くん だった。

「璃音くん?!」


玄関のドアを開けて 璃音くんと
直接 話をする。

「先輩 今日、誕生日でしょう?
はい! プレゼント♡ って…
紫優 居たんダ…」

私の後ろから ついてきた紫優くんを 確認すると 璃音くんは あきらかに 嫌そうな顔をした。

「お前こそ 何なんだ!
懲りないヤツだな!」

「先輩は 俺にとって 大切な人だもん。
紫優が彼氏でも ソレは関係ないね!」

「関係あるだろ !!!」

あわわわわ…
平和な筈の 誕生日に 嵐が やってきた…!

「璃音くん… ? あの… 大切… とは?」

「…っ先輩は 僕の 初めての 友達なので…」

そう言うと 璃音くんは かああああっと
顔を真っ赤にして 俯いた。

純粋過ぎて… こっちまで 顔が赤くなる。

ヤだ… 超可愛い♡♡♡
不器用で 一直線で…
やっぱり 何だか 放っておけないなぁ…

「ふふ… ありがとう。 ふふふ…」

心が 擽ったくて 笑いが 込み上げてくる。

「詩史…」

呼ばれて 紫優くんを見ると
眉毛を下げて 泣きそうな顔。

一瞬にして ヤバ…っと 思う。

「ああ… ごめん 紫優くん…」

抱きついてくる 紫優くんの 頭を撫でた。

璃音くんは 紫優くんにとっては 
相性が 悪いのか…?


「相変わらず 独占欲が 強いね。
それとも 俺を 怖がってるの?
いつも 余裕そうなのに そんなに 不安なんだ?」

「…っ 怖いよ。
詩史に近づくヤツは 皆 怖い…!」

璃音くんの言葉に 反応して
紫優くんは ぎゅっと 力を込めて
抱きしめてくる。

その様子に 璃音くんは 短く溜息をついた。

「紫優。 紫優から 先輩は取らないから
安心しなよ。」

璃音くんの言葉に 紫優くんが 顔をあげると…

「うわ… 何 泣いてんの…!」

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