テキストサイズ

飼い猫 🐈‍⬛🐾

第63章 Birthday 1

付き合いたての 不慣れ男女か!
と頭の中で ツッコミつつも…

多分 素直に 紫優くんに 「カッコいい」と
口にしたのは 今が 初めてだった。


「…っ 嬉しい!
詩史に そう想われたくて 今まで
頑張ってきたから…。
ご褒美…  キス させて?」


ドキ…ッ


こ… ここ(外)で?!


紫優くんの 熱い眼差しから
目を 逸らせない…!


ガシッと 両腕を 掴まれて…

「…っ」

観念して… 目をつむる。

唇のすぐ近くに… 紫優くんを感じる。


「…  やめた。」


「へ?」

紫優くんの言葉に…
間抜けな声をあげて 目を開けた。

紫優くんは 口元を押さえて 顔を俯かせた。

「ごめん…
絶対 キスだけで 終われる訳 ないじゃん…」


そう言って 顔を上げた紫優くんの瞳は
熱が 籠もって…

「もっと… 」


色っぽい 野獣…


「…っ」

「…帰ろう。 パーティの支度をしなくちゃ…」


私から視線を背けて… 手だけ 握ると
紫優くんは ずんずんと 歩いて行く。



残念… なんて…
私は いつから
こんなに 端なく なったのだろう…?


ストーリーメニュー

TOPTOPへ