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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第64章 Birthday2

「じゃあ… 後でね。」

言葉少なく 帰って来た私達。
倉田家の玄関まで 送ってくれた 紫優くんは
やっと 私の顔を見てくれて 笑顔を見せた。

紫優くんの 背中を見送りながら
頬を 膨らませる。


むぅ…

私だって
紫優くんと イチャイチャ したかったのに…


そう 思ってから… ハッとした。


ヤだ ヤだ! 何言ってるの! 私 !!!

慌てて 家に入った。


「お帰りなさい♡ 詩史ちゃん♡♡
待ってたわよぉ〜♡♡♡」

玄関に入ると… 夏葉さんが 待ち構えていた。

「え…? え?」

状況が分からず 困惑する。

「さぁ? 綺麗に なりましょお ねぇ♡♡♡」

何だか よく わからないが…
パーティの準備に めちゃくちゃ 気合いが
入っている様だ…!
目が… ギラギラしてる…っ!!!

「に… にゃ…?」

怯えて… 変な 鳴き声になる。

「大丈夫よぉ~♡ 私に 任せてねぇ♡♡♡」

部屋に連れ込まれて…
夏葉さんの 手に 掛かった。

それから 1時間半かけて…
夏葉さんプロデュースの パーティコーデが
仕上がった。

「あら 素敵♡」

お母さんが にこにこと 夏葉さんを 讃える。

「はぁ♡ 可愛いわぁ♡ 可愛いわぁ♡
最っ高よぉ~♡ 詩史ちゃあん♡♡♡」

夏葉さんも メイクブラシを 指に挟んだまま
両頬を押さえて 喜んでくれた。

そうして 初めて…
姿見の前に 立ってみる。


ドレスは グレーのAライン。
ミモレ丈で ふんわりとした オーガンジーのスカート。
胸からウエストにかけて 可愛い花柄の刺繍が
施されていて、その刺繍はスカートの裾や、デコルテラインをさり気なく隠す
ケープ型のシアートップスにも。

ヘアスタイルは 両トップから編み込んで
襟足をすっきり見せるように 纏めている。
サイドには フワゆるな髪が遊んで、
その奥に キラッと光る大きめのイヤリング。

エレガントなのに… 可愛い…!♡
こんな 私でも こんなに 大変身
出来るのね…!


「夏葉さん、 凄い…っ!」

思わず 振り返って… 夏葉さんを 称賛する。

「気に入った?
私も 詩史ちゃんを手掛けられて 大満足♡
やっぱり 良いわねぇ♡」

着飾らせて貰って 喜んでいると、

「ほら もうそろそろ 出掛けるわよ?」

お母さんに 声を掛けられた。

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