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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第64章 Birthday2

玄関に 向かうと 紫優くんが 立っていた。

「あ。紫優くん! 見て見て! 夏葉さんが…」

着飾らせて くれたんだよ〜!と
伝える 筈 だったのに…


振り向いた 紫優くんは
タキシード姿… !

上品なダークネイビー。 白のシャツに
グレーのベスト ダークグレーのネクタイ。
細身 長身の スラッとした 
紫優くんのスタイルに とても似合っていて…

思わず 息を飲んだ…。


「?!!!」

何、 この カッコいい 生き物…!

そして… 
この色気は どこから 出てくるの… ?

スーツなんて 制服と 変わらない筈なのに…
???

そう言えば
執事の姿の時にも 似た様な 衝撃が… !


ぐるぐると 何故 紫優くん何ぞが
格好良く 見えてしまうのか
必死に 分析に 努める。

そうでも しないと…


「詩史… …っ 可愛い…♡」

紫優くんが 跪いて 私の左手を 恭しく取ると
手の甲に キスをした。


「~~~っっっ」

何で そんな 小っ恥ずかしい事が
平気で 出来て しまうのかなぁ?

まるで 王子様じゃないか…


眉毛を 下げて 困り果てる。

何も 言えない…


立ち上がった 紫優くんは 愛しそうに
私の頬を 撫でた。


「本当に 綺麗だ。 」

する…っと 紫優くんの指が 項を撫でて…

ピクッと 私も 反応してしまう。

その反応に 紫優くんは フッと 目を細めた。

唇が 近づいてきて…
昼間… 出来なかった キスを…



「そこ〜💢 イチャイチャ しない !!!
早く 出る !!!!! 」

「はぃ !!!」

2人の母に 急き立てられて…

私達は慌てて 玄関を出た。


家の前に停めてあった タクシーに
乗り合せる。

紫優くんは 助手席。
私は 母達と 後部座席へ…


顔の熱を 冷やそうと 窓の外を見る。

いつの間にか… 雨が降ってる。

車が 信号待ちで止まると 窓が反射して見えて…

「…っ!」

紫優くんが 私を 見ているのが 見えた。


ストーカー がいるっ!


私は 気がつかない フリをして
窓の外を 眺め続けた。


レストランについて タクシーを 降り様とすると…

「詩史… 足元に 気をつけて…」

雨に濡れない様に 傘を差しながら
紫優くんが 手を 差し出してくる。


…本当に  抜け目ないな…

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