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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第68章 可愛い系男子 

6月下旬

突然 璃音くんが ウチに やって来た。

「先輩〜 遊ぼう?」


… はい?

訳が わからなくて 固まった。


遊ぶ? 何して? 小学生じゃあるまいし…


「学校だと 紫優も 皆の目も 煩いじゃない?
先輩と ゆっくり話したいのに
変な噂 立てられちゃうもん。」

にこぉ〜 っと 屈託のない笑顔を 向けてくる。


相変わらず… 可愛い男子だなぁ…!♡

と トキメキつつも…

いやいや… ダメだろ…


「璃音くん ごめん…
今 予定が あって…」

私は 苦手な 嘘をつく。  

璃音くんは 私の言葉に ガーーーンと
傷付いた 顔をした。

「…っ そっか…
先輩と 本の話を したかったな…」

あまりにも 哀しそうに 気落ちするから…
嘘をついた罪悪感で 押し潰されそうに なった。


今は 家に 誰もいない。

璃音くんを招き入れたら 2人きりに
なってしまう。

仮にも 年頃の男女。
友人関係だと 言い張るけど
間違いが 無い とも 言えない…?


「…わかった。 残念だけど また今度にする。
今度は 遊んでね…?」

目に 涙をためて うるうるしている
可愛い系男子。

その 愛らしさに…
ずっきゅーん! と
ハートに 矢が 刺さった。


ああ… そんな… 泣かないで…?

「…っ 1時間で良ければ…」

気がついたら そんな事を 言ってしまった。 

「…っ 本当?!」

璃音くんが ぱああああっと 笑顔になる。

ま… 眩しい…!


「お邪魔しまーす♡」

目が 眩んでいる隙に
璃音くんは 丁寧に お辞儀して
私の横を 通って ちゃっかり 靴を揃えて
家に 上がり込んだ。


は…っ! やってしまった…!
と 狼狽える。


どどど どうしよう… !!!!!

青褪めながら 時計を見る。


… 紫優くんが 部活から 帰って来るまでには
時間は 十分に ある…。

… バレない かな… ?


「先輩〜 どうしたの???」

ぐるぐると 考えを 巡らせていたら
璃音くんに 呼ばれた。


「先輩、一条総司の 新刊 読みました?」 

璃音くんの言葉に 反応する。

「ううん。
あ、 そっか! 昨日 発売日 だったっけ?」

「じゃーーーん!
見て下さい! サイン貰ったんですよ?」

「えぇえ?! すごい! どこで?!」

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