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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第70章 渡米

紫優くんの 渡米当日

朝ご飯を 食べながら
体調の違和感に 気がついた。


コレは… 風邪を ひかされた…!

けほ…っと  小さく咳をして
ぼーっとする頭で 紫優くんを 責めた。


昨日は…
朝から 晩まで 求められた。

『詩史… 今日は 離さないよ。
1週間分の充電を させて?』

そうして…
喉を潰すほど 啼かされて 抱き潰された。


ふらふらと 立ち上がって
リビングを出ようと する私に お母さんが
声を掛けてきた。

「どこに行くの?
紫優くん もうそろそろ 出発の時間でしょ?
見送らないと…」

「いいの。 あんなヤツ…!」

「えぇ?! こんな時に ケンカ?」

お母さんの 困惑の声を 聞きながら
自分の部屋に 戻った。


ぽすっ と すぐさま ベッドに倒れ込む。


熱い… 苦しい…
紫優くんのばか! ヤリ過ぎなんだよ!


身体中に 紫優くんが触れた 感触が
残ってる。

まだ 紫優くんに 抱かれてる気がする。

『詩史を 連れていけたら 良いのに…』
紫優くんの声が 木霊する。

そんな 錯覚を覚えるほど
私の身体に 紫優くんは 自分の痕跡を
刻んでいった。


ベッドから 時計を見上げると… 9時。

出発の時間…?

じわ…っ と 涙が 滲む。


紫優くんの ばか。
ちゃんと 行ってらっしゃい って
したかったのに…!


ほろほろと 涙を流して 
横に なっていたら…

ガチャンと 突然… ノックも無しに
ドアを 開ける音がした。

「詩史…!」

ギシッと ベッドが 揺れて
紫優くんに 肩を 掴まれた。

「詩史ぃ〜!!!
なんで 見送ってくれないのぉ?!」

無理矢理 体勢を変えられて…

私は 熱を帯びた 気怠い瞳で
紫優くんを 睨んだ。

紫優くんは アレ?!☆ っと
普段と違う 私の 反応に驚く。

「…もしかして 風邪ひいちゃったの?」

そうして…
私の おでこに 手を置いて 体温を 確認する。

「うわ… 熱いな…! 大丈夫?」


大丈夫な訳 ないでしょ💢
と 私は 更に 睨みを 利かせた。

「あぁ… ごめん!
俺のセイ… だったね♡」

くすっと 悪怯れなく 紫優くんが 微笑む。

「なぁんだ… 俺は てっきり 
別れが 寂しくて 来ないのかと 思ったよ☆」

優しく 微笑まれると 涙が 出ちゃう…。

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