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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第70章 渡米

昨日… 散々 キスマークをつけられたのに…

痛みに ほろほろと 涙を流す
私の 左手を 取って…
紫優くんは 薬指の指輪に キスをした。

「看病出来なくて ごめんね。
今ので 多少 良くなると良いんだけど…」

汗と 唾液 塗れの 上半身を 拭って
紫優くんが パジャマを 着せてくれた。

「良くなるかぁ!
余計 熱が 出るわ…💢」

最後まで 可愛くない私に
紫優くんは 目を細めて 笑った。

「行ってきます。」

「ん。」

最後は 名残惜しむ様に
舌を絡めて キスをした。

「おやすみ。 詩史…」

紫優くんに 頭を 撫でられて
そのまま… 目を閉じた。

身体の怠さで 一気に 夢の世界に 沈んだ。


『詩史… 写真を撮らせて…?』

昨日 私なりに 精一杯のお見送りを…と
隠していた ベビードールを 引っ張り出して
着て見せた。

そしたら 紫優くんが
スマホを 向けてくるから 慌てた。

『絶対 ダメ!』

青筋を立てて 否定する私に
紫優くんは しゅん…っと 気落ちする。

『…だめ?』

きゅううううんっ!

紫優くんの 上目遣いが 可愛い…!

でも… 『ダメ!』

きっぱりと お断りする。

データで 残したら
紫優くんに 揺すられる…!
と 危機感を持つ。

『やっぱ… ダメかぁ…』

肩を落として 心底 悲しそうな 紫優くんに
一瞬 グラつくけど…

私は 頭を横に振って 自分を 貫き通した。

『残念…! 詩史のコト…
いつも 写真に撮りたいと 思っているよ?

別に 詩史が 俺のモノを 咥えている所とか
繫がっている所 とか イク時の表情 とか
興奮して 膨らんでる蕾 とか
撮りたいけど、 そういう訳じゃないのに…!』

紫優くんの言葉に 青褪める。

今 何か…
さらっと ヤバい事を 言ってなかった?!

そんなの、 撮られて たまるかぁ !!!!!


『本当は 撮りたい…
詩史の 可愛いトコ 全部。
離れ離れに… 直接 触れない のなら…
記憶の中だけじゃなくて
記録を 残したい な…。』

すり…っと 触られて
優しく 微笑まれると…

はにゃん… ♡

飼い主様に 蕩けてしまう…。

『こんなに 可愛い 詩史が
記憶の中だけ にしか 残らない だなんて…
そんなの 寂しすぎるよ…!

記録が 欲しい…! 詩史…
1枚だけ…』

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