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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第72章 婚約者

空港に 到着して すぐ
目的を 果たすべく
顔合わせ会場のホテルへ 向かう。


父さんは 現地に着いた途端
ずっと 電話で やり取りを している。

漏れ聞こえる内容から
張り込みや 護衛と 連絡を 取っている様だ。


「紫優。 GPSを埋め込んだチップだ。
襟に 忍ばせておくぞ。
会話も 盗聴出来るし 遠隔で録音も 出来る。
何も 無い事を 祈るが
いざ という場合に 脅しの証拠 として
使えるかも しれない。」

父親の 強張った顔と 緊張感を感じて…
スパイ映画 じみてきたな…。 と
スーツに 着替えた俺も 緊張して きた。


「…Okay!
紫優! 先方が 動く様だ。
30分後に 父親である会長と
こちらに 到着する。
その前に ウチのばあさんが あと10分で
合流しそうだ。」

「わかったよ。」


会場の そこかしこに 護衛や 張り込みがいる
様なのだが…
流石プロ! 俺には 全然 わからない。
ホテルマンなど 全ての人が 怪しく 思える。

父さんと 落ち着きなく
祖母の 登場を待った。


「10、9、8… 」

張り込みからの 情報の元
父さんが カウントする。

「1…  0!」

バターン!と  派手な 音が 聞こえて…
祖母が 登場した。

「SHU(紫優)♡♡♡ 久しぶり〜♡♡♡
嫌だぁ♡ 益々 男前になって〜♡♡♡
今日は 逃げずに よく 来たわねぇ♡♡♡」

70代 だと というのに
このパワー…。
フォーマルの ワンピースに
ヒールを 履きこなし
未だ 第一線で 活躍する スーパーウーマンだ。

「相変わらず お元気そうですね。」

手を取り 部屋の中へ エスコートしながら
ご機嫌を取る。

「もう! 体調管理が 大変よぉ!
早く 紫優には 私の後を
継いで 貰わないとね!」

「その事ですが 母さん!
再三 お話 していますが
紫優に そんな気は 無いですからね!」

父さんが すかさず 本題に 切り込む。

「まだ あのムスメに のめり込んでるの?
付き合い出した… とは 聞いたけど
紫優には ウチを 継いで 貰わないと
困るわ!」

祖母は…

怜央 俺 愛茉 璃音… 4人の孫 それぞれに
祖母の経営を 教え込んだ。
4人の中で たまたま…
1番 理解が早く 筋が良かったのが 俺だった。

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