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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第72章 婚約者

加えて…
この 気の強い祖母と 物怖じせずに 話せて
上手に 機嫌が取れるのは
俺 か 愛茉 くらい だった。

つまり 俺は
祖母の お気に入り なのだが…
俺は もう 10歳の子供じゃない。


「Grandma(おばあちゃん)。
俺は 詩史と 結婚したい。
今回の婚約を 破談出来るなら
後を 継いでも 良いですよ…?」

「そんな! 困るわ 紫優!
ウチの お得意様の ご令嬢なのよ?
この意味… 紫優なら わかるわよね?」

「ええ 勿論。 十分に わかっています。
ですが…
詩史は 既に 俺の一部 なので
切り離されても 俺も 困ります。
縁談が 破談出来ないなら 後は 継ぎません。」

普段 物分かり良く
祖母の機嫌を 損ねた事がない 俺が
祖母の意見に 反し、 言う事を 聞かない事に
祖母は 焦りと 苛立ちを 示し始めた。

「ケイト! どうなっているの!」

そして 父さんに 当たり始める。

「そんな事 言われても ねぇ…
紫優は 最初っから 彼女 一筋だったし〜
心変わりする って 決めつけて
勝手に 婚約者を 選んだのは 母さんでしょ。」

「父親として… 一族の経営者として
管理が なってないわ!
そんな のめり込む様な 危ないムスメを
何故 紫優から 遠ざけなかったの !?! 」


あぁ…
祖母 お得意の ヒステリックに
なってきたな…

父さんと 祖母の 言い争いを 傍観する。


「失礼致します。
ミラー様が いらっしゃいました。」

ドアの ノック音と共に ホテルマンの声がした。

よいよ 婚約者の 登場か…!
と 緊張する。


「ええ… お入り 頂いて?」

祖母は 俺と 父さんに 睨みを利かせて
『とりあえず 大人しくして おきなさい!』
と 圧を かけた。


Eleanor miller エレノア ミラー 嬢
愛称は エリー。
確か 俺の1つ年上… と言っても
生まれ年は 一緒で…
物静かで 知的な ご令嬢だと 聞いていた。

「初めまして。 エレノア ミラー です。」

丁寧で きれいな お辞儀と 挨拶。
育ちの良さが 伺えた。


政略結婚の 顔合わせの場なんて…

詩史なら 着飾ったドレスを 関係者の前で
ビリビリに 引き裂いて
猫みたいに 逃走 しそう☆

想像して…
大笑い しそうになった。

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