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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第72章 婚約者

エリーの父親が 祖母と 挨拶を交わしている間、
エリーは にこにこと 愛想良く
可愛らしい 微笑みを 見せていた。


「とりあえず 食事を…」

祖母が 着席を 促すが…
父さんは 頭を横に振って 否定した。

「母さん。
こちらの 話は まだ 終わって いませんよ?
ミラー様 申し訳ありません。
今回の縁談は 破談にさせて 頂きたいのです。」

「ケイト! まだ そんな事を言って…!
…ミラー様 違うんです!」

争い事に 突然 巻き込まれた ミラー氏は
困惑しながら 父さんと 祖母を 見ていた。


「あの… SHU…?
少し お話 出来ますか?」

おずおずと 上目遣いに エリーが 俺に
声を 掛けてきた。

普通に 見ても  綺麗で 可愛い子だ。
大切に 育てられただろうに…
こんな事に 巻き込まれるなんて
今回は 可哀想だったな。

罪悪感も 手伝って…

誘われるがまま 景色が一望出来る ソファーに
2人で 腰掛けた。

「SHU… 破談って…?」

エリーが 首を傾げて 聞いてくる。

「ええ… 本当に 申し訳ありません。
祖母が 私の気持ちを 確認せずに
話だけ 進めてしまって…」

この人には 何も 罪は無い…。

そう 思うと
あんなに 煩わしく思っていた 婚約者でも
罪悪感を 感じて…
誠心誠意 謝罪に 徹する。


「… そう ですか…
でも この世界に於いては
よく ある事ですわ…。」

エリーは 手にしていた グラスを
クイッと 飲み込んだ。


「 紫優っ !!!」

突然 父さんの 叫び声が 聞こえて…
何事かと 立ち上がろうとした その時…
エリーに キスをされた。

「ん… ふ…!?!」

抱きつかれて…
ソファーに 押し倒される。

液体が 口内に 流れ込んで きた。

気がついた所から
飲み込まない様に 吐き出す努力を するが…

くら…っと 目眩を 覚える。

酒…?

それに… 何だ? この香り?


いつの間にか 部屋中に 甘美な香りが
立ち込めていた。

「…っ!」

怪しげな 気分に させられる。
加えて… 身体も 火照りだして
言う事を きかない…!


バタン! と ドアが 閉まる音がして…
エリーと 2人きりに させられた様だ。

「SHU…」

熱の籠もった 潤んだ瞳で
俺の上に 跨り 見下ろしてくる。

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