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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第72章 婚約者

「まったく!  何 襲われてるのさ。
そんなコトで 良いの?
先輩に 『紫優が 浮気してた』って
報告しちゃうよ?」

怒りを 滲ませた 璃音の登場に…
ホッとする。

「…ココに 璃音が居る って コトは…
賭けは 俺の勝ち?」

「あんなの 賭け じゃないだろ!」

めちゃくちゃ 不機嫌な璃音に
目を 細める。


詩史の事を 大切な友達 と 言いながら
璃音が 詩史を好き なのは
見え見え だった。

だから 賭けを した。

『詩史に 告白してみろよ。
璃音の想いが 通じたのなら
俺は アメリカに行って 帰ってこない。
一切 邪魔しないで やる。
でも もし 詩史が俺を 選んだら…
璃音が アメリカに 行って?』

暫くの 沈黙の後…

『… いいよ?』

璃音は 賭けに 同意した。

内心は 冷や冷やしていた。

詩史は 璃音みたいなタイプが 好きだし…

渡米する 直前まで 詩史を愛して
俺を刻みつけたのは その為だった。


詩史… 忘れないで…?
世界中 どこを 探しても
俺以上に 詩史を愛せるヤツは 居ないよ…?


「先輩への気持ちを 諦めさせたかった
だけ だろ!」

「でも
結果は 最後まで わからないモノだ。
万が一 も あり得るからね。
立派な 賭け だったよ。」

「ヨカッタね。
今回も 紫優の 計算通り だよ。
超 面白くないから 仕返し してきてあげたよ。
楽しんで 受け取ってよね。」

璃音の言葉に…
何だか 嫌な 予感がした。

「… ソレって 詩史も 関係する?」

「さぁてね。  教えてあげないよ。
仕返し だもん。」

ふいっと 顔を 背かれて…
怒ってます アピールを してくる 璃音に
苦笑いした。

「仕返し か。 怖いな… 。
でも 今回ばかりは マジ で 璃音に
助けられたよ! Thank you!」

「…別に 紫優の為じゃない!
自分と 先輩の為 だし!
一生  こき使って やるからな!」

「おーおー それは 怖いな… 」


仕返し の事は さておき
長い事 気掛かりだった 婚約者と 後継問題が
コレで やっと 片付いた。

これからは 純粋に
詩史だけを 愛せるのだと 思ったら
涙が 込み上げた。

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