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俺の心は　深く　傷付いて…
ショックで　固まった。


離れていた　この　1週間…
1秒たりとも　詩史を　想わない時は　無かった。

そりゃ　確かに…　　俺は　卑怯だ。
璃音を　詩史から　遠ざける為に
滅茶苦茶な　賭けを　持ち掛けて
全てを　璃音に　押し付けてきた。

でも…
それは　璃音だって　同意の上だったし
この　1週間…
詩史の存在を　確かめる術は
怜央という　人伝しか　手段が　無くて…

それは…
俺にとっては　拷問の様な時間で…

改めて
自分の中の　詩史の存在の　大きさを
痛感せざるを　得なくて…

帰ったら…
今まで以上に　大切に　するんだって…
そう…　思って　いたのに…。

猫は　３日で　忘れちゃう　って　言うけど…

詩史も　俺の事なんか　忘れて…
その猫と　楽しく　過ごしていたのかな…。


詩史との　温度差に
自分でも　驚くくらい　ショックで…
言葉も無く　静かに　詩史の部屋を　出た。


何か　俺ばっかり
いつまでも　詩史を　必死に　追い掛けて…
バカみたい　だな…。


付き合う前の　報われない時間　に
戻ったみたいだった。


「紫優？　帰って来たの？！」

母さんが　ドンドンと
部屋のドアを　叩いてくるけど…

今は…　返事をする　気力さえ　持てない。


このまま　詩史に　放置されたら…
俺は　簡単に　死ねる。

だって
全てが　まったく　意味を持たない。

詩史に　必要とされない　この世界で
生きていく　意味が　無い。

世界は　こんなにも　色を　失うんだ…。



いつの間にか　寝ていたらしい。

目が 覚めると…
俺は　大きくて　柔らかな…　温もりのあるモノに
顔を　埋めていた。

頭と　背中に置かれた　手。

顔を上げると…

俺は　詩史に　抱かれていた。


いつの間に？！　 と 驚きつつも…
詩史が　側に　来てくれた事が　嬉しくて…
大きな丸みに　再び顔を　突っ込んだ。

詩史…　また 胸が 大きくなった…？

手で 触れて…
柔らかな 感触を 堪能する。


温かい…

詩史の　心臓の音が　よく聞こえて
安心する。

どうしようもなく　癒されて…
昼間のショックが　嘘みたいに　払拭されていく。

詩史に　抱かれていると
何だか　赤ん坊に　なったみたいだ…。