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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第78章 進路

「詩史は 結局 どこの大学に したの?」

下校時
突然 紫優くんが そんな事を 聞いてきた。

それは…
私が ずっと 気にしてきた事。 

紫優くんに 聞きたかったのに
どこか 怖くて 聞けなかった事。

「紫優くん こそ… 決めたの?
さすがに 同じ学部じゃ ないでしょ?」

私の希望大学は 伝えてある。
本命の大学も 遠いから 一人暮らしか?と
迷っている と。

大学も違って 家でも
紫優くんに 会えなくなるのは…
いくら 婚約した とは言え 不安になる。

そう。 私の大学選びは
紫優くんに 左右されている。

大学選びを 彼氏に…
ましてや 紫優くんに 配慮する なんて…
小学校時代の 私が聞いたら 卒倒しそう…(笑)

紫優くんの事だから
きっと 私と同じ大学の 希望に近い学部 か
近くの大学を 選ぶのかな…

そう 思っていたのだけど…

「俺は アメリカの大学にしたよ!
カリキュラム内容が 楽しそうでさ〜♪… 」

どきん…っ!


「へ ぇ〜…
アメリカの 大学に したんだ〜」

ズキン ズキン…

胸が 高鳴り出す。

大怪我を負って 脈打つ みたいだ。

「うん! すごく楽しみ!!!
詩史は 結局 どっちに したの?」

紫優くんの 満面な笑顔。
迷い どころか
希望に満ちた 充実した顔 だった。


「うーん…。 まだ 迷い中 なんだよね…」

やっとの事で 口を 開いた。

「え〜! 珍しいね!
いつも スパッと 決めるのに!
そんなに 2カ所とも 魅力的なんだね!」

「まぁ ね〜…」

苦笑い…

聞いてない…

まさかの 留学 なんて…

え? 何? 婚約 したから 安心してんの?
そんなの 何の制約も無い じゃないか!
そもそも… 紫優くんは 私と離れても 平気なの?
中学の時は 堂々と 私にくっついて来た 癖に…
手に入ったら
こんなに アッサリと 開放するのか!?
それとも コレは また
何かの 裏が あるのか? 作戦なのか?!

一頻り 勘繰った後に…
冷静になる。


いや… コレが 正しい。
紫優くんは 間違ってない。

紫優くんは 行きたい大学に行く。
私も 希望する 大学に行く。

ただ それだけだ。


「詩史が どこに 行っても 応援する!
今みたいに ずっと 一緒には 居られないけど…」
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